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猪瀬知事、定例会見から「逃亡」 批判で一転、「やっぱりやる」

   東京都の猪瀬直樹知事が医療法人「徳洲会」グループから現金5000万円を受け取っていた問題は、「借用証」を公開したぐらいでは到底収まりそうもない。今後は追及の場を都議会の場に移すことになりそうだが、さらに火に油を注ぎそうな事態が起こっている。

   知事側が、毎週金曜日に行っている定例記者会見を取りやめる意向を記者クラブ側に伝えたからだ。結局、会見は時間をずらして行われることになったが、「逃げようとした」との批判は免れそうもない。

百条委員会が設置される可能性も

定例会見は知事にとって絶好のPRの場だ(2013年1月撮影)
定例会見は知事にとって絶好のPRの場だ(2013年1月撮影)

   2013年11月29日に始まる都議会では、猪瀬知事が「針のむしろ」状態になるのは必至だ。共産党は11月26日、地方自治法100条に基づく特別委員会(百条委員会)の設置を正副議長と各会派に提案。百条委員会では関係者の出頭・証言や資料の提出を求めることができ、正当な理由がないのにこれを拒んだ場合は、禁錮または罰金の罰則がある。うその証言をした場合にも罰則がある。

   13年6月の都議選では定数127のうち自民は50議席、公明が23議席を獲得。過半数を占めている。この2党が共産党の提案に乗るかは未知数だが、仮に百条委員会が設置された場合、猪瀬知事は「借用証」に関する今の説明を続けるのは難しくなるとみられ、窮地に陥る可能性が高い。

   この状況に火に油を注ぐ形になりそうなのが、定例会見をめぐる動きだ。定例会見は毎週金曜日の15時から行われており、年末年始や夏休み、海外出張の時以外は、ほとんど欠かさず行われている。

   だが、11月27日になって、都側は会見を主催する記者クラブに対して、29日の会見を取りやめたい意向を伝えた。その理由は明らかではなく、時事通信は、

「与野党など各方面から説明責任を果たすよう求められる中、説明を回避する姿勢に批判が高まりそうだ」

と批判的に報じている。囲み取材には応じる方針を示したものの、囲み取材では定例会見に比べて説明を聞ける時間が大幅に短くなり、やはり「説明から逃げた」との指摘が出そうだ。

前日18時頃になって会見の時間が決まる

   猪瀬知事も、この動きを察知したのか、都庁の報道課は11月28日の15時になって、やはり29日に会見をセットする方向で調整していることを明らかにした。結局、18時頃になって、会見が当初の予定より30分早い29日の14時30分から行われることが決まった。担当者は、一連の経緯について「相談の結果」とのみ説明した。

   首都圏で11月28日発売の週刊誌は、

「偉ぶった鼻つまみ者を生んだ劣等感 『猪瀬都知事』まぶた整形とお化粧と5センチ底上げ靴」(週刊新潮)
「都知事の器ではない小人物」(週刊文春)

と、単なる金銭問題に対する批判にとどまらず、早速人格攻撃を強めている。みのもんたさんのケースと同様、来週以降も同様のキャンペーンが行われる可能性がある。