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高速バス事故、社長らが遺族に土下座謝罪 ネットでは「遺族はそれでも納得しまい」の声

   北陸自動車道上り線の小矢部サービスエリア(SA)で宮城交通の高速夜行バスが止まっている大型トラック2台に相次いで衝突して、運転手と乗客の男性1人が死亡した事故で、男性の遺族が事故現場を訪れ、その場に泣き崩れた。

   その傍らには、宮城交通の社長らが地ベタに頭をつけて謝罪する、「土下座」の姿があった。

「誠意をもって対応するかどうかの話を…それに尽きます」

バス会社社長の「土下座」に、ネットでは「遺族は納得できまい」と。(画像は、宮城交通のホームページ)
バス会社社長の「土下座」に、ネットでは「遺族は納得できまい」と。(画像は、宮城交通のホームページ)

   富山県警によると、この事故で運転手の小幡和也さん(37)と乗客の男性1人が死亡、24人が重軽傷を負った。亡くなった乗客は、小野善広さん(48)。金沢市の高校教諭という。

   小野さんの遺族は2014年3月4日、事故現場の小矢部SAを訪れ、警察から事故発生時の状況について説明を受けた。その日、テレビのニュース番組では、小野さんが横たわっていた場所で無念の涙を流す遺族が映し出されていた。

   そして、そこには宮城交通の青沼正喜社長の姿も。遺族に対して何度も頭を下げ、献花の前で土下座して謝罪した。青沼社長は「大変申し訳ないと思っている」とし、報道陣から「遺族とどんな話をしたのか」聞かれると、「誠意を持って対応するかどうかという話を、です。それに尽きます」と、神妙な面持ちで話した。

   富山県警によると、小野さんは事故直前に座席から立ち上がり、運転手に「起きろ、起きろ」と声をかけたという。小野さんは、トラックに衝突した衝撃でバスの外に投げ出されたとみられる。

   死亡した運転手が、事故の直前に病気などで意識を失っていた可能性が否定できないためだ。

   宮城交通によると、死亡した小幡和也運転手(37)は13年11月の定期健康診断では異常は認められなかったものの、高速バスの運転手全員に実施している睡眠時無呼吸症候群の検査では「要経過観察」とされていたという。

   運転手の異変に気づいた小野さんが、必死にバスを止めようとしたが間に合わなかったようだ。

土下座が安っぽく見える?

   そうしたなか、宮城交通の青沼正喜社長の土下座にインターネットでは、

「まあ、当然だろっ」
「遺族はそれでも納得しまい」

といった声にまじり、

「なんだか、半沢以来、土下座が安っぽく見えるのは気のせい?」
「仕方ないって、感じじゃね」

といった見方もある。

   また、死亡した小幡運転手の勤務状況が、2月の休日が3日間しか取得できず、3月3日まで11日連続で勤務していたことから、ネットでは「過剰な勤務ではないか」との指摘も。

「11日連勤が話題になってますが、連勤そのものは合法なんですね。でも、1週目が日曜日、2週目は土曜日とすれば、12日間を連勤にするのは可… まともじゃありませんが」
「でもこれって、交代運転手で2人体制にしろとかいう、国のムチャなお達しのせいじゃないの? 人手不足になるし、人件費だって嵩むだろ」

といった声もある。