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「良かった、泣いた」「子供の描き方見事」 全9話終了「明日ママ」にネットで強い支持

   日本テレビ系連続ドラマ「明日、ママがいない」が、2014年3月12日放送の第9話をもって終了した。最終話の視聴率は12.8%、全話平均視聴率も12.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、まずまずの数字だった。

   関係団体から「子供が傷つく」などとして抗議を受け、謝罪や内容の見直しを求められたり、全スポンサーがCM放映を見合わせたりと、かなり物議を醸したドラマだったが、そのぶん熱狂的な支持者も獲得した。放送終了後、ネット上には熱烈な感想の書き込みが相次いでいる。

「子供を壊すくらいなら大人が壊れろ!」

「明日、ママがいない」公式サイト
「明日、ママがいない」公式サイト

   最終話では、ボンビ(渡邉このみさん)が「ジョリピ」と呼んで憧れていた裕福な家に引き取られることが決まり、児童養護施設「コガモの家」に残ったのは、ロッカー(三浦翔平さん)、オツボネ(大後寿々花さん)、そしてポスト(芦田愛菜さん)の3人となった。

   ポストは、娘の愛を踏切の事故で亡くした担任教師の朝倉亮(吉沢悠さん)の家に通っている。心を病んでしまった妻の瞳(安達祐実さん)がポストを娘と思い込み、それ以来、朝倉家で「愛」として振る舞っていた。

   ポストと朝倉家の養子縁組の話が進む中、自分をなくしてでも「愛」になろうとするポストをみんな心配し、施設長の魔王(三上博史さん)に縁組をやめさせるよう訴えるのだが、魔王は「あいつが決めたんだ」の一点張りだった。

   とうとう契約を結ぶという段階で、朝倉家で「愛」として振る舞うポストを見た魔王が、「お嬢さんの遺影はどちらに」と切り出す。契約書をくしゃくしゃに丸め、「この契約はやめだ!帰るぞ!」と怒鳴った。

   驚く亮と瞳に対し、魔王はこう語りかけた。

「その子はあんたの子供ではない。いいか、よく聞け。子供を壊すくらいなら大人が壊れろ!その子はあんたの子供じゃない!気持ちはわかる。俺も自分の息子を死なせてしまった。妻は苦しみ、それを癒すのに長い長い時がかかった。ゆっくりでいい。ゆっくりでいいんだ。やがて時が…この子は、私の施設にいる子供です。親の顔を知らない、もしかしたらそのことがあなたの中で亡くなったお嬢さんと不思議なことに重ねやすくしてしまったのかもしれない。でも違和感はある。当然です。それはやはり無理があるからです。あなたはそのことに気付いている。時々現実に戻るんじゃありませんか。この子はあなたの顔色ばかり伺っていた。片時も目を離さず。それは、この子自身がそれを感じて怯えているからです。この子もあなたを求めた。あなたを本当のママのように心から求めた。愛というあなたのお嬢さんそのものになりきろうと。よく見てください。もう一度、よく見て。この子はあなたの娘ですか」

   瞳は泣きながら「違う…違います。ごめんなさい…」と言い、結局養子縁組の話はなくなってしまった。

「手放された子供、手放した親、どうしたらいいのか…みんなで考えるんだ」

   朝倉家に引き取られるつもりだったポストは、帰り道に「何で邪魔したんだよ!」と魔王に詰め寄った。すると、魔王が「うるさい!いいか。一度しか言わないから、よく聞け。…寂しい。お前がいなくなると、俺が寂しいんだ。お前は、愛という名前じゃない。お前は、俺の娘だ」と言ってポストを抱きしめ、ポストも泣きながら魔王にしがみついた。

   終盤で、ポストと魔王が水族館で遊ぶシーンをバックに、2人が掛け合うナレーションが流れた。

「手放された子供は辛いよね」
「手放した親も、後悔して生きなくちゃならない」
「どうしたらいいのかな」
「それを考える。ずっと考える」
「私も考える」
「みんなで考えるんだ」
「ふっ、かっこいい」
「…(舌打ち)」

   最後には2人が水族館で撮ったプリクラが映った。そのプリクラには、魔王の上に「パパ」、そしてポストの上に本名の「キララ」と落書きされていた――という話だった。

大後寿々花「撮り直ししてません。このドラマが大好きです」

   放送終了後、ツイッターでは「いいドラマ!」「すごい良かった…泣いた」「批判してた人たちに見てほしい」など、絶賛の声が相次いで書き込まれた。

   2ちゃんねる・テレビドラマ板の「明日ママ」感想スレッドや、Yahoo!テレビの「みんなの感想」には、以下の感想が寄せられている。

「賛否両論あるようだけど、私はすごく良かった!!連日のように悲しい子供虐待のニュースが流れる中、子供は親を選べない…という大前提を否定して子供達がたくましく幸せになったファンタジー」
「いくら批判されようが放送を続けた意図は十分に理解できました。決して表面的ではなく、偽善ではなく、子供たちの心の葛藤を見事に描いていたと思います」
「何だかんだで全体通して感動できるドラマだった 演技がみんな上手いからよかった 子役も勿論だけど、魔王は三上博史以外考えられないと感じるほどハマり役だったと思う 安達祐実のとり憑かれたような演技も上手かった」

   初回のセンセーショナルな描写で批判も浴びたドラマだったが、ネットユーザーからは脚本に隠されたメッセージや、キャストの演技力などが支持されたようだ。

   オツボネを演じた大後さんは、放送終了後にこんなブログを更新している。

「ドラマが始まってから、現場の私達に見えないところで本当に色々なことがありました。毎日のようにデフォルメされた情報が飛び交い、作品を愛してくださっている方々にたくさんご心配をお掛けしてしまいました もちろん撮り直しもしていません。ブレないメッセージ!スタッフの方々の熱くて強い信念を感じました。支えてくださった皆様には、この作品を愛し、この作品のメッセージを感じ、最後まで観て頂いたこと、本当に感謝しています。私はこのドラマが大好きです」