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立教大入試で出題ミス 前代未聞の45人「追加合格」

   立教大学が2014年2月8日に行った14年度入試に出題ミスが発覚し、受験生45人を追加で合格させたことが明らかになった。

   出題ミスそのものは他の大学でも頻発しているが、合否判定には影響しないケースがほとんどで、これだけ多くの受験生の合否判定が一度に覆るのはきわめて異例だ。

設問の年号が間違っていて正解が存在しなくなっていた

   出題ミスが発覚したのは、経済学部経済政策学科・法学部・異文化コミュニケーション学部向けに出題された日本史の問題で、3221人が受験した。

   ミスが指摘された設問は、

「1878年に立志社公開演説会で高知を訪問した福島出身の民権活動家で、後に福島事件の首謀者として入獄する( ホ )が著した『南海紀行』には(後略)」

と、(ホ)に入る人名を答えさせるもの。出題者は第11代衆議院議長を務めた河野広中を正解としたかったようだが、河野が高知を訪問したのは1877年と1879年。問題文に書いてある1878年には訪問しておらず、設問が成立しないことになる。

   立教大の入試のうち学部ごとに入試を行う「個別学部入試」では、合格発表を3回に分けて行っている。第1回発表で合格した人のうち、実際に入学手続きを行う人の割合を見ながら第2回~3回発表の合格者を決める仕組みで、第2~3回は補欠合格に近い意味合いを持つ。

   出題ミスがあった日本史の問題も「個別学部入試」の一環として出題された。第1回発表は2月20日に行われ、2月27日に入学手続きを締め切った。これを受けて3月7日に第2回発表が行われ、第3回発表は3月18日に予定されている。

   今回の出題ミスは、塾講師でつくる「全国入試問題研究会」(福岡市)が3月7日付けで指摘。立教大は追加合格を3月13日に発表しており、数日で設問の検証や採点のやり直し、追加合格者の決定などを行った模様だ。

13年度は33大学が入試ミスで追加合格者

   45人の内訳は、第1回発表で合格する扱いになる人が10人、第2回発表での合格から第1回での合格に「格上げ」になる人が19人、第2回発表で合格する扱いの人が15人、成績優秀者として奨学金を受けられる人が1人。

   14年度入試では、すでに静岡大、信州大、筑波大、名古屋大、明治大などで出題ミスがあったことが公表されているが、大半が合格発表前に発覚し、発表前に採点のやり直しなどを行っている。明治大は発表後に出題ミスを指摘され、2人の追加合格者を出している。

   文部科学省では、入試の出題や採点、合否判定のプロセスで起こる「入試ミス」の件数を集計している。それによると、13年度に入試ミスが原因で合格発表後に追加合格者を出した事案は33大学で42件発生している。そのうち私立大は28大学37件だった。