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「沈没しそうなので、急いで海に飛び込め」 293人不明、韓国の旅客船沈没、大惨事に

   2014年4月16日9時ごろ、韓国南西部の珍島付近を航行中だった旅客船が横転、沈没した。最新の情報では、乗務員30人を含む459人が乗っていたという。

   聯合ニュースによると、韓国政府対策本部は16時時点で293人の安否が不明だと発表している。沈没の原因については未だ不明だ。

救助者数の集計ミスも

   各報道によると、旅客船は15日21時に仁川港を出発し、16日11時45分に済州港に到着する予定だった。乗客の大半は修学旅行中の高校生で、生徒と引率教員340人が乗船していた。ところが、目的地に到着するおよそ3時間前の9時ごろ、珍島郡屏風島の北20キロ沖で船は左に少しずつ傾き出し、11時過ぎには完全に沈没した。

   現在は民間漁船約90隻と11台のヘリコプターで救助活動が進められている。聯合ニュースによると、16時時点では164人の救助が確認されていて、293人は行方不明のままだという。すでに乗務員1人と高校生1人の死亡が確認されている。行政安全省は14時時点で368人が救助されたと発表していたが、その後集計に誤りがあったと明らかにした。

「船の前方から衝撃を受けた」乗務員が証言

   原因は今もなお、不明のままだ。現場の波は高くなかったようだが、濃い霧に包まれていたとも伝えられている。聯合ニュースの取材に答えたフェリーのエンジン室にいた男性船員は、「船の前方から衝撃を受けた。暗礁にぶつかったためではないか」と説明している。また、乗客らも「衝撃を感じたあと、船が傾き始めた」と話している。現段階では「暗礁に衝突後、推進速度で暗礁を乗り越えた」との見立てが濃厚のようだ。船内では「沈没しそうなので、急いで海に飛び込むように」との放送が流れたそうで、緊迫していた様子がうかがえる。

   韓国メディアの報道によると、船は定員921人で、全長146メートル、幅22メートルの大型船だという。