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羽生選手が特派員協会で「食の細さ」告白 「あんまり食事に興味ない…」に記者驚く

   ソチ五輪で唯一金メダルを獲得したフィギュア男子の羽生結弦(はにゅう・ゆづる)選手(19)が2014年4月24日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、応援してくれた人への感謝を述べた。スポーツ選手にとっては大切な食生活について聞かれると「あんまり食事に興味がなくて…」と食の細さを告白。記者を驚かせた。

   自らにスケート業界の人気が「一極集中」している現状に関する質問には、「ええーっ、そうですね…」と答えに窮する一幕もあったが、しばらく悩んだ末に「特別『僕が違う』という感じはない」といった「模範回答」にたどり着いていた。

「少しずつ汁物から入っていったり温めたり…」

日本外国特派員協会で会見する羽生結弦選手。終始笑顔を見せていた
日本外国特派員協会で会見する羽生結弦選手。終始笑顔を見せていた
「まだ僕自身あんまり食事に興味がなくて…。すみません。あまりご飯を多く食べられる方ではありません」

   元々食が細いことで知られていた羽生選手だが、食生活に関する質問に対する率直な反応に、記者からは驚きの声があがった。ただ、18年の平昌(ピョンチャン)五輪など今後の競技生活のために、少しずつ改善されてはいるようだ。

「(栄養指導を受けている)味の素さんに指導していただいて、胃の準備というか、食べる前に胃がびっくりしないように、少しずつ汁物から入っていったり温めたりだとかを指導していただいて、少しずつは食べられるようになりました」

スウェーデン記者「あなたに世の中の関心が集中している。同僚は?」

ゲストブックのサインの下には「一生懸命」と書き添えた
ゲストブックのサインの下には「一生懸命」と書き添えた

   会見は30分足らずの非常に短いものだったが、一番困惑していたのが、自らの人気に関する質問だ。スウェーデンの記者が

「日本でのフィギュアスケートと言えば、あなたに世の中の関心が集中しているように見える。同僚はどうか。他の人は後ろに置いていかれていて、あなたが関心を独占しているのか」

と単刀直入に聞くと、羽生選手は「ええーっ、そうですね…。すごく難しい質問です」と苦笑い。しばらく間を置いてから、

「たとえテレビにいっぱい映っていようが、沢山写真を撮られていようが、僕たちはひとりのスケーター。やっぱり一(いち)スポーツ選手だという感覚はあります。なので、特別『僕が違う』とか、例えば『高橋大輔さんが違う』とか『荒川静香さんが違う』、そういう感じは全然なくて、ただみんな一生懸命練習をしていて、みんな全然違う環境で練習をしている。本当に、ただそれだけかな、と思っています」

と話した。

金メダルは「皆さんが応援してくださった象徴」

   羽生選手は、東日本大震災で被災した仙台出身だ。記者から被災地の若者へのメッセージを求められると、被災地からの応援に対する感謝の言葉を口にした。

「震災について僕が語ることには難しいところもがあるが、ただ、僕は一スケーターとして一生懸命やったし、実際にここに首にかけている金メダルというものが、何か希望であったり、皆さんが応援してくださった象徴というか…。何かひとつのものを目指して、みんなが向いていた象徴のようなものになっていたら本当にうれしいと思います」

   この「一生懸命」という言葉は、羽生選手が記念のゲストブックにサインする際に添えた言葉でもある。