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白鵬、会見キャンセルに憶測相次ぐ 評論家「大騒ぎすることではない」

   大相撲夏場所で29回目の優勝を果たした横綱・白鵬(29)が、一夜明け会見をキャンセルする異例の事態になったとスポーツ紙などが報じ、ネット上で騒ぎになっている。

   一夜明け会見は、公式行事ではなく、慣例化したものになっている。ところが、スポーツ紙などによると、白鵬は、毎回会見に応じてきたが、今回初めてキャンセルしたというのだ。

日本人力士への肩入れに怒ったとの説まで出る

   一部報道では、2014年5月25日の千秋楽で白鵬が優勝を決めてから、関係者が深夜まで白鵬を説得したが拒否されたともいう。いずれの報道も、キャンセルの理由は不明だとしている。白鵬は、この日のNHKインタビューには応じていた。

   白鵬の様子がおかしくなったのは、千秋楽前日の横綱・鶴竜戦に勝った前後からだという。朝稽古を珍しく休み、取組後も報道陣の問いかけに無言を貫いた。優勝後の囲み取材でも、報道陣にほとんど対応しなかったとも報じられた。

   これに対し、日本相撲協会の北の湖理事長は、「本人にいろんな事情があったのかもしれない」とだけ報道陣にコメントした。

   白鵬について、ネット上では、何があったのかと大きな話題になり、理由について様々な憶測が流れている。

   その中で最も声が多いのは、千秋楽の横綱・日馬富士戦で、会場から一方的な日馬富士コールが出たことに切れたのではないかという説だ。大関・稀勢の里が直前の取組で勝っており、もし白鵬が負ければ、白鵬と稀勢の里との優勝決定戦にもつれ込むことになっていた。観客が日本人大関の優勝を期待していることに、白鵬が怒りを抑えられなかったのではというのだ。

   白鵬の様子が変わった鶴竜戦の前々日には、白鵬の物言いでモンゴル出身の鶴竜が勝っている。そのことから、鶴竜戦の前後にも何かあったのではないかとの憶測もあるようだ。

「肩入れを気にするほど、器の小さな人でない」

   日本相撲協会の広報部では、白鵬が会見キャンセルをした理由について、「公式行事ではないので、本人からは何も聞いていません」と取材に話した。白鵬が無言だったことについても分からないとし、「人種差別的な話などは、入ってないですね。ネットの情報は、根拠があるとは思っていません」と言っている。

   相撲評論家の杉山邦博さんは、人種差別があったかなどについて、「推測の域を出ない話」だとし、その実情についてはこう話す。

「優勝が決まったときは、各マスコミが支度部屋で取材し、本人はまったく普通通りに答えていましたよ。何らかの本人の都合で会見に出られなかったのだと思いますが、前日には各マスコミにお断りしていたと聞いています。そもそも、一夜明け会見は、数年前から始まったことで、決められたものではありません。本人が承諾すればサービスでするものですが、疲れているのでもう少し配慮があってもいいでしょう。一部のスポーツ紙がニュースにしていますが、私はそんなに大騒ぎすることではないと思いますね」

   日馬富士コールのことなどについては、こう指摘する。

「去年、稀勢の里が白鵬に勝ったときは、万歳コールが沸いていましたが、白鵬の気持ちになることが大事で、いいことではありません。今回の日馬富士戦では、相当の人がコールに応じていましたが、白鵬は、不愉快だったと思います。しかし、白鵬は、それを気にするほど、器の小さな人ではありません。相撲をよく学習してリーダーになった立派な横綱であり、そんなことで会見を拒否することなどはないはずですよ。人間ですから心穏やかでないこともあるでしょうが、それを態度や行動に出す人物ではないと思っています」