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椎名林檎のNHKサッカーテーマ曲「NIPPON」は「右翼的」? 「別に普通」「神風特攻隊を連想させる」ネットで議論に

   FIFAワールドカップ(W杯)ブラジル大会の開幕が間近に迫る中、2014年のNHKサッカーテーマ曲に選ばれた歌手・椎名林檎さんの新曲「NIPPON」を巡り、インターネット上で議論が起きている。

   歌詞に「右翼的」な部分があるなどとして、一部ネットユーザーから指摘が出ているためだ。

「この地球上でいちばん混じり気の無い気高い青」は純血思想?

   「NIPPON」はNHKサッカー放送のために椎名さんが書き下ろした作品で、W杯中継をはじめ、同局のサッカー関連番組で広く使用される。楽曲は「万歳!万歳!日本晴れ」という歌詞から始まる、「勝負の時」に勝ちに行こうとする強い意志が表現された高揚感のあるロックナンバーだ。ミュージックビデオでは着流し姿のバンドメンバーに囲まれながら、ギターを掲げてシャウトする椎名さん迫真のパフォーマンスが披露されている。

   YouTubeで公開されている動画のコメント欄には「いいね!テンションがあがります!」「日本が元気になる曲」「サイコーの応援ソングです!」などと、好意的な意見がいくつも寄せられている。

   だがその裏で、楽曲を聞いた一部ネットユーザーは、曲に含まれている歌詞内容に着目し、「歌詞がところどころ猛烈にマズい」「これはある種、特攻の歌だよね?」などといった批判的な見方を示している。

   彼らの指摘は「この地球上でいちばん混じり気の無い気高い青」という歌詞は「純血思想」を想起させ、「不意に接近してくる淡い死の匂い」歌詞は「神風特攻隊を連想させる」といった具合だ。

「どこを縦読みしたら純血主義になるの」

   だが、「右翼的」との見方には疑問の声が少なくないようで

「どこを縦読みしたら純血主義になるの」
「歌詞みたけど別に普通。この程度で発狂するのか…」
「『気持ちに』混じり気が無いという解釈はできないのか」
「最近変な方向に政治が傾いてそういう意識に過敏になるのはわかりますが、この曲はあくまで勝負師の気持ちだと思います」

などと反論の声も多い。

   6月11日には、こうした見方を紹介する記事が週刊SPA!が運営するサイト「女子SPA!」に掲載され、さらに物議を醸すこととなった。

   記事は、音楽批評家の石黒隆之氏による「椎名林檎のNHKサッカーテーマ曲、その"右翼ごっこ"より問題なこと」というもの。石黒氏は、椎名さんが過去に軍歌に特化したイベントを開催したり、愛車にヒトラーと名付けたりしていたエピソードを挙げ、「彼女らしいと言えばそれまでなのでしょうが」と一定の理解を示すも、「NIPPON」が日本戦以外のW杯全中継で流れてしまうことに違和感を示し、次のように綴っていた。

「当然日本の放送局で使われる楽曲ですから、多少日本代表を応援するようなフレーズが入るのは分かります。しかし、椎名林檎の『NIPPON』は不必要なまでに過剰です。『淡い死の匂い』などというフレーズに至っては、明らかにTPOをわきまえていない」