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脱法ドラッグ事故に続いて拳銃発砲事件 「物騒だな」「怖すぎる」と囁かれる池袋を歩いてみた

   東京・池袋にあるホテルのカフェテラスで、中国籍の男による拳銃発砲事件が起こった。池袋といえばつい先日、脱法ドラッグを吸った男の運転する車の暴走事件があったばかりだ。

   相次いで大きな事件が発生し、「最近の池袋は、物騒だな」「池袋で働くの辞めようかな」などとネットに書き込まれている。

暴走事故現場から約300メートル

発砲事件があった「サクラカフェ池袋」
発砲事件があった「サクラカフェ池袋」

   報道によると2014年7月6日、中国籍の男(54)が、妻と見られる50代女性をいきなり拳銃で撃ち殺した。女性と口論になってバッグから回転式の拳銃を取りだし、胸とあごを打ったという。男は店員に取り押さえられて殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。当時、店には10人以上客がいたが、けが人はいなかった。警察の取り調べに対して男は黙秘し、犯行の動機や銃の入手経路は明らかになっていない。

   犯行現場となったのはサクラホテル池袋別館1階にあるカフェテラス「サクラカフェ池袋」。実は5日に脱法ドラッグを吸引した状態で車を暴走させ、歩行者を死傷させた事件が起きた場所から近い。北西に約300メートル離れた場所だ。暴走事故の容疑者は現場近くの店で脱法ドラッグを購入したという。JR池袋駅の北口や西口や繁華街はどのようなエリアなのか、記者が現場付近を歩いた。

   JR池袋駅周辺には1980年代以降に中国から移り住んだ新華僑とよばれる人々が多く住み、豊島区の外国人登録者数1万9324人のうち、1万1737人を中国人が占める。北口を出で十数メートル進むと、真っ赤な看板の食品店「陽光城」が目に飛び込んできた。日本のスーパーではあまり見られない中華食材が置かれ、店内に飛び交う言葉は中国語だけだった。向かいのビルには中国の書籍を扱う専門店があるほか、周囲には中国人の経営する飲食店が点在している。

   他には、チェーン系居酒屋や風俗店の看板が貼りだされ、猥雑な雰囲気を作り出している。新宿・歌舞伎町に近い雰囲気だ。道端に立つ客引きと見られる男性らが、路上でたばこをふかす姿が目立ち、歩いていると時折、下水の不快な臭いが鼻についた。線路沿いのホテル街の付近には、並んで歩く男女が何組かいた。暴走事故現場の付近には大量の花とペットボトル飲料が供えられていて、道行く人が手を合わせていた。

「そろそろ巻き込まれるんじゃないか」

池袋駅北口の超過食材店「陽光城」
池袋駅北口の中華食材店「陽光城」

   発砲事件のあった「サクラカフェ」に到着したが、「都合により本日はお休みします」というお知らせの表示があり、カーテンが閉じられ真っ暗だった。安価に泊まれるホテルに併設されているので、普段は外国人バックパッカーらで賑わい、さまざまな人種の客が利用する場所だ。24時間オープンで世界のビールや料理を提供しており、日本の利用客も少なくない。いわば気軽にエスニック気分が味わえるスポットとして、そこそこ有名な店でもあるので、ツイッターでは衝撃が走った。

「池袋で中国人が中国人に射殺された所ってサクラカフェなんだ…自分が行ったことある場所で銃殺って怖い」
「最近自分が池袋に行く日に限って事件とニアミスするので、そろそろ巻き込まれるんじゃないかとビクビクしてる」

   近年、従来の「垢抜けない」イメージから脱却して、リクルート住まいカンパニーの「住みたい街」ランキングで3位に入るなど、女性人気も向上しつつあるところでの大きな事故の連続だった。

   豊島区の治安対策担当課に話を聞くと、「インパクトのある事件はありますが、警察と実務で接している限り去年より(治安は)良くなってきている」と話す。環境浄化パトロールを池袋の繁華街に限ると月11回は行っている。脱法ドラッグについては根絶を目指す決起集会を開いた。

「『体感治安』の部分なので改善していくしかないです。警察と協力しながらいろいろな政策をしていて、事件の未然防止ができればと考えています。街の評判が上がって人が増えると、大きな事件もおのずと起きますからね」