J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

「やられたので、このままでは人生終わらせられない」 橋下氏が公明党に「宣戦布告」、衆院選に出馬しそうだ

   2014年12月中の投開票が確実視されている衆院総選挙では、野党にとっての焦点のひとつが「自民一人勝ち」を崩すための野党間の調整作業だ。だが、維新の党の橋下徹共同代表(大阪市長)がターゲットに定めているのは同じ与党でも自民党ではなく、公明党だ。

   橋下氏は、大阪都構想をめぐる公明党の対応を強く恨んでおり、「このままでは人生終わらせることはできません」とまで話している。

「市長投げ出し」指摘にも「仕方ない」

橋下氏は「大阪都構想」めぐる公明党の対応を恨んでいる
橋下氏は「大阪都構想」めぐる公明党の対応を恨んでいる

   11月12日の囲み取材で衆院選の可能性について問われた橋下氏は、「いろいろ考えます。選択肢はいろいろ」と述べた。立候補した場合は「市長投げ出し」になるという指摘にも橋下氏は「仕方ない」と応じており、かなり前向きのようだ。

   この理由を、橋下氏は

「公明党にやられたので、このままでは人生終わらせることはできません」
「明日明後日死ぬかもしれないし、やれるときにやらないと」

と説明した。

   12年の衆院選で、橋下氏率いる日本維新の会(当時)は大阪都構想への理解を求めるため、6選挙区で公明党への対抗馬擁立を見送り、公明党候補を支援したという経緯がある。だが、14年1月に公明党は都構想に否定的な立場に転じて両党の関係は決裂していた。橋下氏にしてみれば、「公明党が裏切った」というわけだ。

09年総選挙では公明党は6選挙区で「全滅」

   12年に選挙協力の対象になったのは、大阪3区、5区、6区、16区、兵庫2区、8区。この6選挙区では、09年に民主党が政権交代を果たした総選挙では、公明党は「全滅」。特に大阪16区では北側一雄幹事長(当時、現副代表)、兵庫8区では冬柴鉄三・元国交相が議席を失うという痛手を負った。公明党からすれば、12年選挙では当時追い風だった維新の支援もあって全選挙区で返り咲いたとも言える。

   維新は、これら6選挙区すべてに対抗馬を擁立する方針。候補者については選定作業が進んでいるが、橋下氏は大阪3区の支部長、松井一郎幹事長(大阪府知事)は同16区の支部長を務めていることから、2人はそれぞれの選挙区から出馬するとみられる。

   3区の現職は公明党大阪府本部代表の佐藤茂樹氏、16区は前出のとおり副代表の北側氏だ。両選挙区では、維新のトップが公明党の幹部と対決する可能性もある。

   なお、朝日新聞社が11月8日から9日にかけて行った世論調査の結果によると、政党支持率は自民党33%、民主党6%、維新の会1%、公明党2%で、わずかだが公明党の方が支持率が高い。