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視野が欠け、黒い点が見えたらすぐ医者に 芸人、アイドル、政治家までも悩ませる「網膜剥離」

   ものを見るために必要な眼球の中にある神経の膜「網膜」。何らかの原因で剥がれることを網膜剥離といい、失明に至る病いで、このところ著名人の間で増えているのだ。

   お笑い芸人の星田英利さん(旧芸名:ほっしゃん)が2015年3月16日に自身のツイッターで明かした。民主党の岡田克也代表(61)も15年5月に3度目の手術を行う。

   この網膜剥離、ボクサーや力士などのスポーツ選手に多いと思われがちだが、普通の生活をしていてもなってしまうケースもあるらしい。専門医は視野が欠けたり、黒い点のようなものが見えたりする場合は直ぐに医者に相談するよう呼びかけている。

  • すぐ医師に相談しなければ失明に至ることも・・・(画像はイメージ)
    すぐ医師に相談しなければ失明に至ることも・・・(画像はイメージ)
  • すぐ医師に相談しなければ失明に至ることも・・・(画像はイメージ)

「かなり進行した網膜剥離」っていう診断をされた

   星田さんは15年3月12日にツイッターで、病院に行き眼科で検査を受けたと報告した。瞳孔が開く目薬をされたなどと書いていたが、何の病気なのかは明かしていなかった。そして16日に、

「『かなり進行した網膜剥離』っていう診断された」

と明かした。

   このところ網膜剥離に関するニュースを度々目にするようになった。ボクシングや力士、総合格闘技などのスポーツ選手だけでなく芸人、アイドル、政治家など様々な人がなっているのだ。民主党の岡田代表は2014年12月26日に左目の網膜剥離の手術のため都内の病院に入院し、15年3月に再手術、5月には3度目の手術を予定している。報道陣に対してはフラッシュや強い照明を点滅させないよう要請している。

   アイドルグループ「NMB48」の須藤凜々花さん(18)は14年7月に網膜剥離の手術のため1か月間の活動停止を発表した。お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の中川パラダイスさん(33)も14年1月に手術のため入院し、14年5月には再手術を行っている。

   網膜剥離とはどんな病気なのか。日本眼科学会のホームページによれば、眼球の奥にある網膜が何らかの原因により眼球壁側から剥離することを指すと書いている。網膜というのはカメラのフィルムに相当するもので、レンズに当たる角膜・水晶体から入った光を電気信号に変え、それが視神経を介して脳に行くことでものが見えるという仕組みになる。剥がれる原因は老化、網膜の萎縮、外傷などが考えられる。特に強度近視の人がなりやすく、年齢では20代と50代の人に多いという。

「普通の生活をしていても発症する」

   前兆として飛蚊症(小さなゴミのようなものが見える症状)や光視症(視界の中に閃光のようなものが見える症状)を自覚したりする。無症状のこともある。病状が進むと視野欠損(カーテンをかぶせられたように見えにくくなる症状)や視力低下が起きる。1回の手術で1~3週間の入院が必要となるのが一般的で、複数回の手術が必要になることがあるとも書いている。

   フジテレビ系情報番組「とくダネ!」は15年3月18日に網膜剥離の特集を放送し、「普通の生活をしていても発症する」と説明した。番組に登場した深作眼科の深作秀春院長は、

「(花粉症など)アレルギーが原因で目を擦ることによっても発症のリスクが高まる」

と話し、ちょっとした不注意も原因になるそうだ。視力が急に落ちたり、本来は無いはずの光が見えたり、部分的に視野が欠けるなどの症状が出た場合は直ぐに医師に相談しなければ失明に至る場合もあるとも警告した。