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あれ、ぐっさんがアサヒビールのCMに 以前キリン「のどごし生」に出ていたのになぜ

   「おれは世界中で一番、誰よ~り幸せ~な男」。アサヒビール「クリアアサヒ 糖質ゼロ」のテレビCMで、歌いながら商店街をスキップしていく山口智充さん(46)を見て、「あれ?」と思った人は少なくないだろう。

   それもそのはず山口さんは過去にライバルメーカー、キリンビール「のどごし生」のCMに出ていたからだ。競合他社のイメージを引きずるタレントを自社CMに起用したのはなぜだろうか。

  • 「クリアアサヒ 糖質ゼロ」テレビCMに出演した山口智充さん(アサヒホールディングス提供)
    「クリアアサヒ 糖質ゼロ」テレビCMに出演した山口智充さん(アサヒホールディングス提供)
  • 「クリアアサヒ 糖質ゼロ」テレビCMに出演した山口智充さん(アサヒホールディングス提供)

1度はオファー断っていた

   CMは「クリアアサヒ 糖質ゼロ」の発売日に合わせて2015年3月17日から放送されている。山口さんが商店街をウキウキとスキップしながら同商品を購入、コロッケと一緒に味わい「アッ~」とうなる内容だ。

   山口さんといえば、キリン「のどごし生」の発売以来およそ9年間、「営業部長役」でCMに出演していた。すでに堺雅人さんに代わって1年以上がたっているが、いまだにそのイメージが強く残っている消費者は少なくない。ツイッターには「キリンからアサヒに転職か」「ついこの前までキリンのどごし生を売り込んでたよな」など、「なんか妙な違和感があった」といった書き込みが相次いでいる。

   実は山口さん自身もそうだった。クリアアサヒ 糖質ゼロのCM発表会では「実は最初断った」ことを明らかにしている。9年間も競合他社のCMに出ていたことを気にしていたようだ。

   それでも手紙などで熱心なアプローチを受け、自身の気持ちの整理がついたこともあり、「断る理由がない」として快諾した。

   しかし1度は断られたにもかかわらず、なぜアサヒは山口さんにこだわったのだろうか。同社広報は「山口さんの元気で健康的なイメージが商品にぴったりだった。食べたり飲んだりする場面をおいしそうに伝えてくれると期待して起用した」と語る。だからこそ1度ではあきらめられず、再度オファーしたのだ。

ビールのイメージに合うタレントは意外と少ない

   そもそも「ビールのCMイメージに合うタレントは多くない」(アサヒ広報)そうだ。もちろん未成年ではいけないし、大人の雰囲気を保ちつつ、おいしそうにビールを味わってもらわなければならない。

   いまは「アサヒスーパードライ」のイメージが強い福山雅治さんも、過去にはキリン「一番搾り」のCMに出演していたことがある。また役所広司さんもキリンやサントリー、サッポロと各社CMに出演経験がある。

   ほかの業界でも競合他社のタレントを起用することはない訳ではないが、今回の山口さんの起用は「普通は避けるめずらしいケース」(広告業界関係者)だけに多くの消費者にインパクトを残したようだ。