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小学生の習い事に「プログラミング」は当たり前 専門塾に加え、進学塾も子どもの囲い込みに動く

   水泳、ピアノ、進学塾など小学生が通う習い事の定番に「プログラミング」が食い込みつつある。

   幼い頃からスマートフォンやパソコンに触れる通信環境が広がり、「子供のクリエイティビティを育ててほしい」という親のニーズも年々高まっているようだ。プログラミングの専門塾だけでなく、従来の進学塾も新たなカリキュラムを用意し、子どもの囲い込みを始めている。

  • 親は子に「クリエイティビティ」を養わせたい(画像はイメージ)
    親は子に「クリエイティビティ」を養わせたい(画像はイメージ)
  • 親は子に「クリエイティビティ」を養わせたい(画像はイメージ)

学習塾「プログラミングは教育的意義が高い」

   試しにインターネットで「プログラミング教室(塾)」と検索すれば、子どもにプログラミングを教える塾のホームページが多くヒットする。教える内容も、C言語などの定番言語だけでなく、簡単なアプリやシステムを開発する段階まで教えるところもあり、本格的だ。

   子どもたちはどういったきっかけで入塾し、どのレベルまで到達するのか。関東各地で小学生向けのプログラミング教室を開くTENTOは、「スマホやゲームで遊ぶ子どもの様子を見た親御さんが、その情熱をクリエイティブな方向に使って欲しいと願い、(子どもを)入会させるパターンが多いです」と語る。

   2011年の開講当初は3人しかいなかった生徒数も、4年間で150人に膨らんだ。プログラミングの知識が全くない小学5年生でもおよそ1年から1年半で、ゲームやアプリをプログラムできるだけの能力が身に付くという。

   進学塾も参入を始めている。学習塾「栄光ゼミナール」でお馴染みの栄光(さいたま市)が運営する「栄光ロボットアカデミー」では、15年4月からプログラミングでロボット動かすことを学ぶコースを始めた。今、じわりじわりと参加者を増やしている。

   担当者は「うちはもともと受験勉強以外にも力を入れております。失敗してもすぐにやり直せる、試行錯誤を繰り返せるプログラミングは教育的意義が高いと感じております」と語る。

習い事ランキングでプログラミングが7位

   ただ、教員の人選には苦労しているようで、「エンジニアとしての資質を持ちながらも難しいものを分かりやすく教えられる、子どもとのコミュニケーションを円滑に取れる人は少ないです」という。

   スマートフォンやパソコンに日常的に触れられる環境がそうさせるのか、プログラミング熱は確実に高まっている。リクルートライフスタイルが14年10月3日に発表した「2014年度上半期 子どもの習い事ランキング」によると、小学生高学年の「今後、習わせたい習い事ランキング」でプログラミングが7位にランクインした。調査は、習い事をしている子どもがいる全国の女性618人を対象に8月25日から26日にかけて実施。10位以内にプログラミングがランクインするのは初めてだ。

韓国では小学校の正規教育課程でプログラミング教える

   海外に目を転じてみると、国が初等教育の段階からプログラミングを推奨するパターンが増えている。韓国では2015年3月の新学期から中学校の正規教育課程に「ソフトウエア」が加わった。主な教育内容はアルゴリズム原理の理解、プログラミングの活用で、プログラミングを使って簡単なゲームを作る機会もあるという。「ソフトウエア」は17年3月に小学校の正規教育課程にも加わる。

   アメリカで、全学校にプログラミングの授業を食い込ませようと活動するNPO団体「Code.org」はビル・ゲイツ氏やマーク・ザッカーバーグ氏らIT業界の著名人に支援されている。オバマ大統領もプログラミング教育の推進に熱心だ。さまざまなスピーチで、作られたものを消費するだけでなくコンピュータで何かを作り出して欲しい、といった内容の言葉を語っている。