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学生団体のバリケードを京大生が撤去 ネットで「学内自治が成り立ってる」の声

   京都大学で中核派系とみられる学生団体がバリケード封鎖を行ったが、京大生らによって撤去された。このことについて、ネット上では様々な声が漏れている。

   それは、京大OBでも見たことがないという大規模なものだった。

  • 学外者には風当たりが強い?(2015年撮影)
    学外者には風当たりが強い?(2015年撮影)
  • 学外者には風当たりが強い?(2015年撮影)

封鎖に参加したほとんどは、他大学の学生たち

   封鎖を行ったのは、学生自治会の「京都大学全学自治会同学会」だ。同学会サイト上でストライキを予告してはいたが、2015年10月27日早朝に突然、吉田南キャンパスにある1号館の入口をバリケードで塞いだ。

   同学会は中核派系の全学連の傘下にあり、報道によると、京大生を含む20~30人が封鎖に参加した。ただ、ほとんどは他大学の学生たちだった。

   ストライキは、安倍晋三政権が戦争に突き進んでいるのに、大学は反対しようとしないことに抗議して行われたという。学生の意志を示すのが目的だとし、参加者はマイクを握って反戦を訴えた。

   この間、封鎖を止めさせようとする教職員とにらみ合いが続いた。その影響で授業の一部が休講したり、大学事務に支障が出たりした。レポートが締め切りまでに出せないと困惑する学生も多かったようだ。その一方、京大生の一部には、近くでオタ芸と呼ばれるパフォーマンスをしたり、封鎖をネタにしたツイートで盛り上がったりと、お祭り気分で横ヤリを入れる向きもあった。

   ようやく事態が動いたのが、正午過ぎだった。

   3階の連絡通路から入れることに気付いた学生たちがおり、そこから1階に降りて裏側からバリケードを次々に撤去した。ストライキの参加者たちも激しく抵抗することなく、そこで封鎖が終わった。

   このバリケード封鎖について、京大では翌日の10月28日、ホームページ上で告知を出した。

京大も学外者を指して刑事告訴を検討と明かす

   告知では、「一部本学学生を含む多数の学外者により、吉田南1号館が封鎖されました」と指摘し、「学生の教育を受ける権利および教員の教育を行う権利と責任が侵害」されたなどと訴えた。そして、「教育研究を妨害する行為は絶対に容認できません」として、その行為に対し、威力業務妨害罪で刑事告訴することなどを検討するとしている。

   ネット上では、京大生によってバリケードが撤去されたことが話題になっており、「封鎖などが支持されると思っていたのか?」「時代は変わったなあ」「一応学内自治が成り立ってるw」など様々な感想が漏れていた。

   京大では14年11月、私服警察官が学生に拘束される騒ぎがあり、副学長が「事前通告なしに警察官が構内に立ち入ることは誠に遺憾」とのコメントを出したことがある。今回も、学生がトラブルを起こした学外者らを排除し、大学も学外者の立ち入りをけん制した形だ。

   なお、同学会は、中央執行委員会のブログで、ストライキは目標の正午で貫徹されたため京大生が自ら身を引いたと主張し、大学当局は京大生の訴えを黙殺してきたため刑事告訴する資格はないと非難している。