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食べる順番ダイエット 「最初に野菜、ご飯は最後」ニッポン発の画期的方法

   「カロリーは心配しなくても大丈夫。食べる順番を変えるだけで、ウソのようにやせます」。連戦連敗、ダイエット負け組の私には夢のような話。話題「食べる順番ダイエット」ってホントに効果があるの? で、どうやればいいの?

   欧米発の有象無象のダイエット法が花盛りの中、「食べる順番ダイエット」はニッポン発だ。今井佐恵子・大阪府立大教授と糖尿病専門医の梶山静夫氏が糖尿病患者の血糖値を下げるために開発した食事療法が元になっている。2015年7月に米国糖尿病学会誌もその効果を認めた。米の研究チームが重度の肥満患者に同じ方法を試すと、食べる順番を変えただけで、食後1時間の血糖値が37%下がった。これは専門治療薬に匹敵する効果だという。

  • 最初に野菜をたっぷり食べよう
    最初に野菜をたっぷり食べよう
  • 最初に野菜をたっぷり食べよう

空腹時に炭水化物をとると太るのが宿命

   方法は実に簡単だ。(1)野菜=食物繊維(2)肉や魚=タンパク質(3)ご飯や麺類=炭水化物、の順番で食べるだけだ。これがどうしてやせる効果につながるのか。ポイントは炭水化物だ。炭水化物はブドウ糖に分解・吸収されて血液中の糖分になりエネルギーに変わり、余った分が脂肪として蓄えられる。

   ところが、空腹時に炭水化物を食べると糖分が過剰に血液の中に放出されて血糖値が急上昇する。人間は何万年も「飢え」と戦ってきて、生き残るために空腹時(飢えの状態)にはすぐに糖分をエネルギーに変える仕組みが備わっているからだ。すると、血糖値を下げるホルモンのインスリンが分泌される。インスリンは、その糖分を脂肪として体内に蓄えてしまう。これも「飢え」に対する防衛反応だが、これが肥満の原因になる。逆にいうと、食後の血糖値の上昇が緩やかだとインスリンの分泌が減り、脂肪も減るというわけだ。つまり、炭水化物は満腹時に食べればいい。これがご飯・麺類を最後にする理由だ。

ご飯をおいしく食べたい時に、オカズがない!

   野菜を最初にするのは、食物繊維が先に入ることで、小腸での糖分の吸収がゆっくりとなり、血糖値が急上昇するのを防いでくれるから。食物繊維は腹もちがよく、胃でふくらむために満腹感を早めに得られる。後から食べる炭水化物の量も自然に減る。食物繊維の豊富なキノコ類や海藻類がオススメだ。

   どのくらい効果があるのか。実践している人たちのサイトをのぞいてみた。30代女性「3年かけて18キロやせました。ビールもノンアルコールに変え、1年目で10 キロマイナス。2年目はウォーキング、ランニングも始めて4キロマイナス。あとの4 キロは、野菜をいっぱい食べて、お通じがよくなったから」。30代女性「このダイエットの素敵なのは、大好物の炭水化物を自然に減らせるところ。最後に炭水化物、これがミソ。だってご飯をおいしく食べられるオカズがもうない! 茶碗2杯だったのが勝手に0.7杯に。オカズなしで食べる寂しさを最初の5日間我慢すれば、習慣づきます。58 キロが50 キロに! 唯一長期的に成功した方法ですが、今ではダイエットしているという意識はありません」。

コンビニのおにぎりに、お浸しをプラス

   「食べる順番ダイエット」は外食の利用者にも向いている方法だ。このダイエットの指導者たちのサイトによると、以下の点に注意したい。

   (1)よく噛んで、早食いはさける。最低30回は噛みたい。野菜を先に食べても、おかずやご飯を大食いしては意味がなくなる。野菜を食べてから次のオカズを口にするまで5分~10分かけるといい。

   (2)野菜の前に汁物を飲む。水分はお腹にたまるので満腹を感じやすくなる。

   (3)外食で定食をとる時は野菜サラダから。コンビニのおにぎりで済ませる時も、サラダやお浸しも買って先に食べる。野菜ジュースでもよい。

   (4)ファーストフードは、実践しづらい食事。全体にカロリーが高いので、ダイエット中は食べないように。

   「食べる順番ダイエット」では、「カロリーはまったく気にしなくていい」と紹介される例が多い。しかし、意識して野菜から食べると、食べる量が自然に減るしカロリーも気になってくるもの。また、ウォーキングなどほかのダイエットにも挑戦したくなる。その相乗効果が期待できる点もオススメだ。