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くまモン「復活」被災地に笑顔届けるモン 子どもたち大歓声、列島は感動の渦

   熊本地震の発生以降、全ての活動を休止していた熊本県のPRキャラクター「くまモン」が、「こどもの日」の2016年5月5日、3週間ぶりに活動を再開した。地震で大きな被害を受けた同県西原村の「にしはら保育園」を訪れ、被災した子どもたちを励ました。

   県の担当課が被災者の心情に配慮したことから、これまで公の場から姿を消し、交流サイト(SNS)での発信もストップしていたくまモン。「復活」を後押ししたのは、国内外から相次いで寄せられた「会いたい」の声だった。

  • くまモン「復帰」に感動の声(14年6月撮影)
    くまモン「復帰」に感動の声(14年6月撮影)
  • くまモン「復帰」に感動の声(14年6月撮影)

3週間ぶり、保育園に登場「かわいかった」

   熊本県で最大震度7を観測した16年4月14日の地震から、くまモンは、被災者の心情に配慮してイベント出演などの活動を休止していた。これまで頻繁に更新していたツイッターやフェイスブックの投稿もパタッと止まり、ファンからは「くまモン、大丈夫ですか」「無事を祈っています」と心配する声も上がっていた。

   そんなくまモンが5月5日、3週間ぶりに表舞台に姿を見せた。現在は避難所として利用されている「にしはら保育園」を訪れ、被災した子どもたちにエールを送ったのだ。その様子はテレビのニュース番組でも大きく取り上げられ、くまモンの登場に大歓声を上げる子ども達の姿が放映された。

   同日付けの「日テレNEWS24」ウェブ版では、くまモンと触れ合い「かわいかった」「うれしかった」と笑顔を浮かべてはしゃぐ子ども達や、「こどもの日なので、少しでもそれらしいことができて良かった」と語る保護者の姿をおさめた動画が公開されている。

   こうしたくまモンの姿には、ツイッターやネット掲示板からも、

「活動を再開したくまモンのニュース見てたら涙出てきた。 ふれあっている子供もお年寄りもみんなすごく嬉しそうな顔してる」
「くまモン復活のニュース見て泣いたよ」
「感動した! くまモン皆に笑顔を届けてね」

といった声が相次いで上がった。くまモンの公式ツイッターアカウントにも「お帰りなさい」「ずっと待ってたよ」という祝福のリプライ(返答)が数多く寄せられている。

「復帰してください」の声に答えるために

   今回の熊本地震では、くまモンが「復興のシンボル」となっている。これまで「本人」は表舞台に登場してこなかったが、キャラクターとしては支援イラストなどに幾度も描かれてきた。

   熊本県は4月19日、熊本地震被災地支援チャリティーイベントや募金活動に限り、イラストの利用を許諾不要の届け出制にすると発表。こうした行政の動きもあり、SNS上には日本各地のご当地キャラなどとコラボした被災地の応援イラストが数多く公開されている。

   くまモンの「生みの親」である放送作家・小山薫堂さんも、4月20日に被災地の復興支援のための「くまモン募金箱」を立ち上げた。5月4日には、被災地の子どもたちへ向けた「くまモンぬり絵」を自身のフェイスブックで公開していた。

   こうした状況の中、くまモン自身が活動を休止していた理由について、熊本県くまもとブランド推進課は5月5日のJ-CASTニュースの取材に、

「くまモンの『やんちゃ』なキャラクターやSNSでの言動が、地震に見舞われた方々への心情にそぐわない部分があると考えていた」

と話す。その上で、再始動を決めた理由については、

「くまモンも被災者の1人ということで、最初は心配や励ましの声が届くことがほとんどでした。ですが、ここ最近、『会いたい』『復帰してください』といった手紙やメールが増えてきました。そうした皆さんの思いに答えるため、復帰を決めました」

と説明する。活動再開を望む手紙やメールは、5月4日までに国内外から110件も届いていたという。

   被災地の混乱を防ぐため、くまモンの今後のスケジュールは非公開だが、避難所への訪問やボランティア団体へ感謝を伝えに行くといった活動が中心になる。なお、ツイッターやフェイスブックといったSNSの再開時期は未定だという。