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舛添「集中審議」は時間の無駄? 質問も答弁も「金太郎飴」

   舛添要一都知事の政治資金問題について集中審議が都議会で行われたが、舛添氏は、以前と同じ答えを繰り返した。ネット上では、自民党などの質問ぶりにも批判が相次いだ。

   2016年6月13日午後に行われた総務委員会の集中審議は、事前通告制ではない一問一答式だけに注目を集めた。

  • 質問を次々にかわす舛添氏
    質問を次々にかわす舛添氏
  • 質問を次々にかわす舛添氏

自民党都議は、報道された内容を繰り返し質問

   議会が用意した傍聴券69枚は、正午前にはすべてはけてしまったほどだ。

   まず最大与党の自民党の鈴木隆道氏が質問を始める。舛添氏の問題で費やした議事の時間が13時間に達したと指摘し、「一体どれだけ時間がかかっているのか」と語気を強めた。誰1人知事の言葉に納得していないとして、「知事が説明できるのは、最後の機会になるかもしれない」と厳しい追及の姿勢を見せた。

   ところが、具体的な質問になると、報道に出ているような内容を繰り返し質問するだけだった。

   舛添氏が千葉県木更津市内のホテルで行ったとした会議について、客室に招いた出版社社長とは何者かと質問すると、舛添氏からは、「政治家の信義に関わり、名前を出すのはご容赦を」とかわされた。神奈川県湯河原町の別荘まで使っていた公用車の問題については、家族の同乗は一度もないのかなどと聞くだけで、舛添氏は、文化施設などから家族で来てほしいと言われたときだけだと、以前の答えを繰り返した。

   さらに、鈴木氏は、1時間の持ち時間があったが、5分前の55分で早々と質問を止めてしまった。

   自民党の次は、同じ与党の公明党の松葉多美子氏が質問に立ち、鈴木氏と同様に「集中審議が最後の機会になるかもしれない」と舛添氏をけん制した。

「続投」言い続ける強心臓に呆れる声も

   松葉氏の質問は、やや具体的で、舛添氏が購入した美術品を引き継いだ政治団体の収支報告書に金額の記載がないとして、政治資金規正法違反に相当すると指摘した。美術品が転売されていないか、次の集中審議がある6月20日までに現物を見せてほしいと舛添氏に迫り、舛添氏から「そういう方向で精査したい」との言質を取った。最後には、舛添氏に対し、「辞職すべきです」と迫ったが、政治資金などの疑惑にも突っ込んでも、舛添氏からは「きちんと調べて、改めて答えたい」とかわされていた。

   その後、共産党、民進党など野党委員が質問に立ったが、舛添氏はこれまでの答弁を繰り返すにとどまり、疑惑の解明には程遠かった。

   ツイッター上では、「#集中審議」のハッシュタグに意見が集まり、与党、特に自民党の質問ぶりに批判が集中した。「馴れ合い答弁」「時間がもったいないぞ」「早く切り上げて他の人に代わって」などと厳しい声が相次いで書き込まれた。また、各党の質問や舛添氏の答えが同じ内容で繰り返されることには「金太郎飴」との批判も上がった。

   一方で、辞任を求める声が相次ぐ審議の中で、続投の意志を表明し続ける舛添氏に対しては、その強心臓ぶりに呆れる声も出ていた。

   自民党などの質問ぶりには、日テレ系「ミヤネ屋」司会の宮根誠司さんが、審議中の13日の放送で、鈴木隆道氏の質問に対し、「甘噛みに近い」と指摘。「舛添さんからの回答に『はい分かりました』と答えて、次の質問を読んじゃってる」「55分? 巻いちゃダメでしょう」と厳しいコメントを口にしていた。