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オリジン弁当でちょい飲み、ラーメン 「イートイン」に転換する切実な理由とは

   持ち帰り弁当・惣菜で知られる「オリジン弁当」が、イートイン事業の強化を進めている。ラーメンやうどんなど「めん類」をそろえた店舗をはじめ、実験的に「定食メニュー」の提供をスタートした店舗も登場した。

   「フード(食べ物)からミール(食事)への転換」を合言葉に、業態転換を急ピッチで進めるオリジン弁当。運営企業のオリジン東秀によれば、今後は「スペースが取れる限り全店」でイートインコーナーを展開する予定だという。

  • 女性客をターゲットにした「キッチンオリジン」(画像はオリジン東秀提供)
    女性客をターゲットにした「キッチンオリジン」(画像はオリジン東秀提供)
  • 女性客をターゲットにした「キッチンオリジン」(画像はオリジン東秀提供)
  • 持ち帰り弁当を食べることができるイートインスペース

夫婦共働き世代で「食の外部化」が進む

   イートインコーナーを設けているのは、同社が2014年2月に始めた新業態「キッチンオリジン」だ。働く女性をメインターゲットに据えた店舗で、16年5月末までに187店を展開。既存の「オリジン弁当」からの業態転換も進んでおり、16年度中に約330店のうち130店近くをキッチンオリジンへ転換する予定だ。最終的には、2018年をめどに全店舗を新業態に転換する目標だ。

   同社経営戦略部の担当者によれば、業態転換に踏み切った理由は「女性のお客様の支持が減っている」ことを原因に、売上の微減が続いていたため。夫婦共働き世代の増加による「食の外部化」が急速に進むなかで、「働く女性が利用しやすい店舗づくり」の取り組みを始めた。

   「キッチンオリジン」最大の特徴は、店内に設置されたイートインコーナーにある。購入した弁当や総菜をその場で食べられるほか、多くの店舗でラーメンやうどんなどの専用メニューを用意。「80円」のコーヒーも販売しているほか、店内にはコンセントも完備。

   イートインコーナーは「キッチンオリジン」全187店のうち、59店に設置。同社担当者によれば、「スペースが許す限り全店に設置する予定」だという。また、実験的にロードサイド型の店舗を埼玉県内に出店しており、そこでは「定食メニュー」も提供しているという。

ビジネスパーソンや学生の取り込みも

   キッチンオリジンへの業態転換を進めた14年2月以降の売上は、実施前と比べて前年比125%で推移するなど、好調を維持している。利用客からの反応も上々のようで、ツイッターやネット掲示板には、

「いいね。イートインならゴミを持ち帰らなくていいし」
「オリジン弁当にイートインコーナーがあってびっくり。カウンター席にコンセントまであるなんて、サービス良すぎ」
「面白い勝負に出たよね。コーヒー好きだから弁当出来るまで座って休めるのも良いわ。そのまま食べても良いし行く機会が増えそう」

といった意見が見られる。

   さらに、一部店舗(16年5月末時点で5店舗)では「ちょい飲み」にも対応。ビール(税込390円)やハイボール(同300円)といったアルコール類を、量り売りの惣菜をつまみに飲むことができる。シメにはラーメンやうどんといった「めん類」もあるほか、24時間営業の店舗も多く、ビジネスパーソンや学生の取り込みも狙っている。