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中尾彬、テロ犠牲者の扱いに激怒 「なんで棺を外に置いてんだよ!」

   バングラディッシュ・ダッカの人質立てこもり事件で犠牲になった7人の遺体が2016年7月5日午前5時50分頃に羽田空港に到着し運び出され、7つの棺はレッカー車に乗せられて駐機場に止められた政府専用機の横に置かれた。岸田文雄外相らがその場に歩み寄り、献花をし、1分間の黙とうが行われた。

   この様子を見た俳優の中尾彬さん(73)が朝のワイドショーで「棺を吹きさらしにしているのはけしからん!」などと激怒したことが波紋を呼んでいる。

  • 2016年7月5日に帰国した犠牲者の棺(写真:AP/アフロ)
    2016年7月5日に帰国した犠牲者の棺(写真:AP/アフロ)
  • 2016年7月5日に帰国した犠牲者の棺(写真:AP/アフロ)

ネットで賛同と批判の声上がる

   中尾さんがコメンテーターとして出演したのはテレビ朝日系「グッド!モーニング」。番組では人質立てこもり事件で犠牲になった7人の遺体を乗せた政府専用機の到着から、献花の様子などを生中継した。機体から降ろされた7つの棺は白い布に包んでレッカー車に乗せられ運ばれた。駐機場に横に並べられたあとに、岸田外相、萩生田光一内閣官房副長官、ラバブ・ファティマ駐日バングラディッシュ大使らがその場に歩み寄り、献花をし、黙祷した。番組内で、遺体はこの後、病院に運ばれ司法解剖され、遺族の元に向かうことになったことなどが説明された。感想を聞かれた中尾さんは、腹わたが煮えくり返るような顔をし、低いが力のある声で、

「こうやって見ていると、なんで外に置いてんだよ。ねぇ、中に入れてやりゃあいいじゃん」
「ご遺体が、大臣待たなきゃいけないんだよ?大臣が待つべきだよ!」

と激怒した。つまり、日本の国際協力で海外に行きバングラディッシュに尽くしてきた人たちの遺体を、吹きさらしの場所に置いているのはあまりにも失礼だしかわいそうだ。大臣たちはその場に歩み寄るのではなく、出迎えるのが礼儀なのではないか、ということらしい。

   これに対し、ツイッターなどで、

「テレビで中尾彬がいいこと言っている」
「もっと言ってやってー」

などといった賛同の声が上がり、そこから議論が白熱した。

   中尾さんに賛同する人たちは、

「同じ事思ってた。というか、ご遺体を晒しもんにするなと」
「あまりに狂ってる。個人の命、尊厳をここまで冒涜できる神経は、そのまま国民に対する態度に出ている」
「早く静かな屋内に入れてあげればいいのに。不謹慎かもしれんが、ああいった場所で献花式(?)を執り行うのは 政府側のパフォーマンスに感じてしまう」

などといった意見を掲示板に書き込んだ。

外務省「アルジェリアのテロ事件の犠牲者も同様の対応」

   一方、反対意見としては、

「別にここで葬式をやろうというわけじゃないんだから。ただのセレモニーやろ。国賓が降りてきたらそこでセレモニーやるだろ。あれと同じだよ」
「正確には入国する前に良く帰って来て頂きました、と言う最上位の儀礼だと思う。入国前だぞ」
「空港内にそんなスペース無いし遺体は司法解剖のために病院へ直行だよ。入国前に国のために殉職した人に献花するのは国際的にも常識。噛み付いてるのはただの無知」

などといった批判が出ている。

   J-CASTニュースが16年7月6日に外務省に対し、犠牲者の遺体に対する扱いについての批判が出ていることについて、「これまではどうだったのか」を取材すると、

「事実関係だけお伝えすれば、今回が特別なのではなく2013年1月にアルジェリアで起こったテロ事件の犠牲者に対しても、同じように行っております」

という回答が返ってきた。

   13年1月のテロ事件は、イナメナスの天然ガス関連施設で起こった人質事件で、アラブ系の武装集団が日本人を含む外国人約40人を人質に取り、日本人10人が犠牲になったもので、このときも今回と同じ形式の献花が行われた。