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都知事選「主要でない」候補者、「テレビ偏向報道」を批判 BPOに是正要求書を提出【都知事選2016】

   東京都知事選の候補者有志が2016年7月27日、東京・渋谷の自由報道協会で共同記者会見を開き、「偏向報道の是正」を求める要求書を放送倫理 ・番組向上機構(BPO)と民放4社に送付したと発表した。

   会見に出席した元ジャーナリストの上杉隆氏は、民放各社の報道姿勢を「放送法違反」と指摘。「あらゆる手段を用いて不当性を訴えていく」と力強い言葉も出た。だが一方で、候補者の「ドタキャン」「遅刻」「途中退席」が続出するなど、会見は終始、混乱が漂う内容。こうした姿には、記者から「これで本気だといえるのか?」という質問も飛んでいた。

  • 上杉氏は会見開始から20分ほどで退席した(27日撮影)
    上杉氏は会見開始から20分ほどで退席した(27日撮影)
  • 上杉氏は会見開始から20分ほどで退席した(27日撮影)
  • 元NHK職員の立花孝志氏
  • 幸福実現党広報本部長の七海ひろこ氏
  • 30分以上遅刻して登場したマック赤坂氏
  • 急きょ会見に参加した内藤久遠氏

「『主要3候補』でない18人の放送時間は3%」との調査

   上杉氏によれば、今回はBPOと在京の民放4社(日本テレビ、TBS、テレビ朝日、フジテレビジョン)に「偏向報道の是正」に関する要求書を送付したという。そのきっかけは、幸福実現党が実施した調査で、

「『主要3候補』でない18人の放送時間は3%」(NHKを除く、7月18~22日の各局ニュース番組を対象とした調査)

との結果が出たことにあるという。上杉氏は、「こんなにひどい偏向だったのかと知り、きちんとした対応をせざるを得ないことになりました」と説明していた。

   こうしたテレビ各社の報道内容については、幸福実現党広報本部長の七海ひろこ氏も「マスコミに黙殺されるというのはどういうものかと身を持って感じた。恐ろしさすら感じています」などと話していた。

   会場で配布された要求書では、民放4社の報道が「政治的に公平であること」を求めた放送法第4条第1項第2号などに抵触する可能性があると指摘。その上で、「政治的公平性を欠く報道を継続するのであれば、(中略)あらゆる手段を用いて(中略)不当性を訴えていく」とも綴っている。

   上杉氏は、

「(今回の問題は)候補者が選挙中に時間を使って主張するものではないでしょう。都政には関係ないですし、メディアが自ら正すのが普通です」

と会見に出席した報道陣に向けて語っていた。

あまりの混乱ぶりに、記者「これで本気だといえるのか」

   一方で混乱の目立つ会見でもあった。

   主催者側は、候補者21人のうち5人が出席予定としていた。だが、16時から始まった会見に冒頭から姿を見せたのは、上杉氏と元NHK職員の立花孝志氏、幸福実現党の七海氏の3人だけ。

   出席予定とされていた元労働大臣の山口敏夫氏は会見を「ドタキャン」した。会場では主催者が携帯電話で「えっ、山口さん来られないんですか!?」と驚いた様子で話す姿がみられた。また、マック赤坂氏は30分以上遅刻して会見場に姿を見せた。

   上杉氏と七海氏が20分ほどで途中退席したため、今回の会見に5人全員がそろうことはなかった。

   また、会見場には出席予定ではなかった元陸上自衛官の内藤久遠(ひさお)候補の姿もあった。上杉氏と七海氏の途中退席後、内藤氏も急きょ会見に参加。立花氏と遅れてきたマック氏を含めた3人が記者からの質問に答える形となった。

   会見後半の質疑応答中には、立花氏が携帯電話を片手に離席する場面も。また、マック氏のコメント中に、立花氏がノートパソコンを操作し始め、マック氏からの質問に「真面目な作業をしてるんです」と答える一幕もあった。

   こうした姿には、会見に出席した記者からは、「これで本気だといえるのか?」と呆れたような声が飛んだ。この質問に立花氏は、

「本気であることには間違いない。ただ何ぶん急に決まったことであって、各々に外せない予定がある」

と答えていた。

おことわり 2016年7月27日に配信した記事では「自由報道協会の上杉氏」との表現がありましたが、上杉氏は2016年7月13日までに同協会の理事および副代表を辞任していましたので、7月29日、該当部分を削除しました。