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華原朋美が急性ストレス反応で休養 スピッツ・草野も...誰でも発症する恐れ

   歌手・華原朋美さん(42)が「急性ストレス反応」により活動休止すると、所属事務所がファクスで発表した。

   医師の見解では、急性ストレス反応は誰にでも襲ってくる。毎日の生活のストレスの蓄積が原因になり得るという。

  • 華原さんは「点滴なんてしてる場合じゃないね!」とSNSに投稿していた
    華原さんは「点滴なんてしてる場合じゃないね!」とSNSに投稿していた
  • 華原さんは「点滴なんてしてる場合じゃないね!」とSNSに投稿していた

不眠やイライラ、感情のマヒ

   華原さんの事務所が2016年11月5日に発表した文書によると、華原さんは「発熱や倦怠感などの体調不良を訴え」ており、医療機関で検査を受けたところ、急性ストレス反応で約1か月間の休養が必要と診断されたという。

   華原さんは、月曜レギュラーを務めるワイドショー番組「PON!」(日本テレビ系)の10月31日放送回への出演を見送っていた。その前日30日までインスタグラムの更新は続いており、自身の写真もアップ。だが、「点滴なんてしてる場合じゃないね!」とも書き添えていた。

   急性ストレス反応とは何なのか。2016年11月7日放送の「グッドモーニング」(テレビ朝日系)の取材を受けた新宿ストレスクリニック・精神科の石川慧璃(みがき)医師は「強いストレス要因の後に48時間以上、不眠やイライラ、感情のマヒといった症状が続く病気」と説明した。過度なストレスがかかれば誰にでも起こる恐れがあり、症状が1か月以上続くとPTSD(心的外傷後ストレス障害)が疑われるという。

   詳しい症状としては、同日放送の「とくダネ!」(フジテレビ系)で、川村総合診療院の心療内科医、川村則行院長が「つらい記憶のフラッシュバック」「異常な興奮」「人に関わるのを避ける」の3つに大きく分けられると話した。

   原因となる「強いストレス」の例を、NPO法人・標準医療情報センター理事長で新潟大学医学部名誉教授の下地恒毅氏が、同センターのウェブサイトで解説している。大震災のような自然災害、テロ、さらに交通事故、家庭内暴力、犯罪による傷害のほか、愛する人の死といったものがある。

東日本大震災で心を痛め、3週間の療養必要と診断

   ロックバンド「スピッツ」の草野マサムネさんも、2011年3月に急性ストレス反応を発症し、同年4月に予定されていたコンサートツアーを見送った。その原因は、11年3月11日に起きた東日本大震災だった。公式サイトでは同年同月28日、草野さんは震災で、それまで経験したことのない大きな揺れに見舞われたうえ、連日報道される被害の状況に心を痛めたため発症し、3週間の療養が必要と診断された、と発表があった。

   一方、前出の標準医療情報センターのウェブサイトによると、こうした強いストレスを同じように受けても反応には個人差があり、「発症しやすいのはどんな人か」も挙げている。その中には

「その人の毎日の生活にストレスがある」
「職業で絶えずストレスにさらされている」

という記述がある。家庭や仕事でのストレスが蓄積していると、発症しやすくなる可能性がありそうだ。

   同サイトでは治療法として、医師やセラピストによるカウンセリング、家族による認知療法的な話し合いを挙げる。適切に行えば、数週間で次第に治まるとしている。医薬品を使うと、根本的治療ではなく症状改善にとどまるという。スピッツの草野さんも、約3週間後の同年4月13日のコンサートで復帰を果たしている。

   事務所の発表によると華原さんは、16年12月から万全の体調での復帰を目指すという。「PON!」にも12月5日に復帰する予定だと、11月7日放送の冒頭でアナウンスされている。