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「スクフェス」KLabがラーメン輸出へ スマゲー成長神話に急ブレーキ

   スマートフォン向けゲームの「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」(通称、スクフェス)などを展開するKLabが、日本食と日本文化を海外に展開する子会社「KLab Food&Culture」を設立。その第1弾として2016年12月19日に、中国・上海にテーマパーク「ラーメンアリーナ(拉麺競技館)」1号店をオープンする。

   1号店は直営店で、総客席数が322席。「拉麺久留米 本田商店」「吉祥寺 武蔵家」「富良野 とみ川」「濃厚鶏そば 麺家武一」「有頂天evolution」「えびそば 一幻」「らーめん セアプラノ神」の7か店が入居する。

  • 「スクフェス」のKLabが、海外でラーメン事業を展開(画像は、「ラーメンアリーナ」の館内イメージ)
    「スクフェス」のKLabが、海外でラーメン事業を展開(画像は、「ラーメンアリーナ」の館内イメージ)
  • 「スクフェス」のKLabが、海外でラーメン事業を展開(画像は、「ラーメンアリーナ」の館内イメージ)

12月「ラーメンアリーナ」1号店を中国・上海に

   KLabによると、「KLab Food&Culture」は日本の文化を海外へ「輸出」したい企業をサポートする事業を展開することを目的に設立。これまでKLabは、日本のマンガやアニメを題材としたゲームを海外市場に提供するうえで、現地でのマーケティングの経験を蓄積してきたほか、中国、アメリカ、フォリピン、シンガポールの海外4拠点で現地法人を設立・運営してきた経験がある。

   これを非ゲーム事業へ転用。急成長してきたスマゲー事業に依存している売り上げのポートフォリオ拡大を図る。

   日本食や日本文化を取り扱う国内の事業者は、小規模事業者が多く、海外事業の経験が少ないのが現状。そういった事業者をターゲットに、まずは「日本食」を提供する事業者の海外進出をサポートする。その第1弾が、「ラーメンアリーナ(拉麺競技館)」というわけだ。KLabが飲食事業に参入するのは初めてで、将来は他の日本文化も輸出していくという。

   とはいえ、KLabがラーメン店を経営するわけではない。ラーメンアリーナの収益モデルは、「不動産サブリース(転貸借)」と「コンサルティング収入」だ。

   KLabは直接に不動産を購入、保有しない。物件を確保して区割りしたスペースを、出店テナントに「転貸し」することで安定的な賃料収入を得ることを狙っている。

   一方、同社がこれまでの海外事業で培ってきたノウハウを生かして、小規模事業者の海外進出のための会社設立や人材の採用・教育、食材の確保、免許取得、労働法や税法などのコンサルティングを展開して収入を得る。さらに、出店テナントの売り上げに連動したコンサルティング収入を得る。

主力「スクフェス」売り上げ減

   ただ、インターネットでは、

「スマゲーがラーメンって、よくわからんなあ」
「数年で撤退すんじゃねw 『スクフェス』すら維持できないのに続けられるワケないわ」
「投資する方向性が間違ってる」
「日本文化を世界中に輸出するのが目的なら『スクフェス』でいいんじゃね? なんでラーメンなん??」
「こういう畑違いのこと始める企業ってなんなの?」

と、海外での「ラーメン事業」の展開を懐疑的にみる向きが少なくない。

   KLabが11月8日、ラーメンアリーナと同時に発表した16年12月期第3四半期(1月~9月)連結決算によると、売上高は前年同期比11.9%減の145億9000万円と低調だった。営業利益は54.6%減の10億3100万円、純利益は8億100万円の赤字。

   売り上げが減少した要因を、同社は「主に『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』の売り上げが減少したことによるもの」としている。ゲーム事業が踊り場に来たなかで、新規事業をどれだけ盛り立てていけるか――。