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小池知事が「世襲」にイヤミ連発 「代理戦争」区長選前に強烈ジャブ

   東京都の小池百合子知事が、「世襲的」体質に対する批判を強めている。2017年夏に予定されている都議選の「前哨戦」とも言える千代田区長選(1月29日告示、2月5日投開票)では、与謝野馨・元財務相のおいが自民都連の推薦を受けて出馬表明したことを「とても自民党的な選び方」と皮肉った。

   これに加えて、築地市場の移転問題で公開ヒヤリングに応じないままの石原慎太郎・前知事の次男がコメンテーターとして情報番組に出演していることを念頭に、「コメンテーター選びにこそ違和感あり」と非難。前回13年の同区長選挙では、小池氏が支援する現職が「辛勝」する接戦だったこともあって、危機感を強めている可能性もある。

  • 小池百合子知事が「世襲」への批判を強めている(2016年8月撮影)
    小池百合子知事が「世襲」への批判を強めている(2016年8月撮影)
  • 小池百合子知事が「世襲」への批判を強めている(2016年8月撮影)

「与謝野さん、そういえば、最後、何党でいらしたですかね。甘党?」

   区長選には、小池氏が支援する現職の石川雅己区長(75)と、与謝野信氏(41)が出馬を表明している。千代田区は、小池氏と対立する都議会自民党の「ドン」内田茂都議(77)の地元だということもあって「代理戦争」と注目を集め、「小池 vs 自民党」の構図がクローズアップされている。

   与謝野信氏は、与謝野馨氏のおいにあたる。小池氏はこの点について、与謝野氏が出馬表明した1月13日に行われた定例会見で、

「与謝野先生のおいごさんということで、とても自民党的な選び方だなというのが1点、率直な感想。多分、猛烈な組織選挙をされるのだろうと思うが、要は、区民が決められる『区民ファースト』、これに尽きるのではないか」

と対決姿勢を鮮明にした。これに加えて、

「与謝野さん、そういえば、最後、何党でいらしたですかね。甘党?」

と、与謝野氏が自民離党などを経て民主党政権でも入閣した点を暗に批判した。

石原良純氏写った画面写真つきで「コメンテーター選びにこそ違和感」

   1月16日朝には、小池氏は

「朝から各局が豊洲市場のモニタリング結果について報道している。様々な切り口での解説、コメントがあるが、こちらは問題の本質に触れず、調査会社選びに話を向けていることが興味深い。別人格とはいえ、コメンテーター選びにこそ違和感あり」

とツイート。このツイートには、コメンテーターの石原良純氏(54)が映り込んだ「モーニングショー」(テレビ朝日系)の画面写真がついており、豊洲移転を推進した父親の石原慎太郎・元都知事の親族がコメントすることを皮肉った形だ。

前回選挙は1264票差

   前回2013年の千代田区長選では、小池氏が支援する石川氏が8287票を得て4選を決めたが、自民・公明が擁立した対立候補の大山恭司氏も7023票を得た。その差、1264票だった。

   都議会公明党が16年12月に都議会自民党との連立を解消したため、今回は公明票の一部も石川氏に流れる可能性があるが、前回選挙の票差から見ても選挙の行方は予断を許さず、小池氏の一連の世襲批判は、「VS自民党」の構図を強調することで、現職陣営にはずみをつけようとの思惑も透けて見える。

   千代田区長選をめぐっては、石川氏、与謝野氏以外にも、無所属新人の政治団体代表、五十嵐朝青(あさお)氏(41)が立候補を表明している。