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任天堂に提訴された「マリカー」 ディズニーキャラクターも使用

   任天堂の提訴によって注目を集めた、株式会社マリカーによるアニメなどの人気キャラクターの衣装を着て街中を疾走する公道「カート」事業の著作権問題。しかし、影響は任天堂だけではないようだ。

「有楽町でマリカーのカートが目の前を通り過ぎてったけどコスチュームが全部ディズニーキャラクターになってた」――。こんな報告が相次いでいるのだ。

  • これはディズニーの・・・(17年2月28日撮影)
    これはディズニーの・・・(17年2月28日撮影)
  • これはディズニーの・・・(17年2月28日撮影)

「100着以上のコスプレをご用意!」

   任天堂は2017年2月24日、マリカー社が(1)「マリオカート」の略称である「マリカー」を社名などで無断使用している、(2)公道カートを顧客にレンタルする際に、「マリオ」などの同社のキャラクターのコスチュームを貸し出した、(3)そのコスチュームが写った画像や映像を、宣伝・営業に利用していた――とし、これらが不正競争行為および著作権侵害行為に当たると主張し、提訴に踏みきった。

   これに対して、マリカー社は、複数の弁護士・弁理士から任天堂に対する不正競争行為及び著作権侵害行為には 該当しないと「お墨付き」をもらっていたとし、

「任天堂の担当者様と協議及び情報交換も行い、私たちのサービスに理解を示す発言も得られていました。(略)協議した矢先のことであり、大変困惑しております」

と同日にコメントを発表していた。

   任天堂の主張の中で登場するキャラクターのコスチューム。今回、任天堂が著作権を保有しているキャラクターの衣装が焦点となっているが、同社HPには2月24日時点で、

「マリオ、アイアンマン、クッキーモンスターなど現在100着以上のコスプレをご用意!」

との記載(25日には削除)があり、任天堂以外のコスチュームも提供していたようだ。

   実際、同社サービスの利用者がSNSに投稿した写真を見ると、任天堂以外にもゲームや映画、アニメなどの人気キャラクターの衣装が複数確認できる。冒頭で紹介したように、マリカー社が今回の騒動後に、任天堂からウォルト・ディズニー社のキャラクター衣装にシフトした、という目撃談もツイッターなどに複数寄せられている。

   J-CASTニュースは2月28日昼、マリカー社に、(1)現在、任天堂キャラクターの衣装は貸し出しているのか、(2)貸出衣装をディズニーキャラクターにスイッチした、というのは事実か――などを取材したが、「まだ訴状も届いていないため、個別回答は極力控えさせて頂いております」という回答だった。

マリカー品川店に行ってみると...

   このため、2月28日午後、マリカー社の品川店に行ってみると、3人1組の外国人客が、スタッフからカートの運転のレクチャーを受けていた。

   客が来ていたコスチュームを確認すると、「マリオ」「ルイージ」は確認できなかったものの、任天堂のキャラクター「ヨッシー」に、映画『怪盗グルー』シリーズの「ミニオン」、そして、ディズニーの「チップ」もしくは「デール」とみられるものが確認できた。

   ディズニー社はこうした事実を把握しているのか。

   ウォルト・ディズニー・ジャパンの広報部は2月28日夕、J-CASTニュースの取材に対し、

「今回のようなご主旨での取材はお受けしておりません」

と回答している。