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プロ野球のフェイクニュースか 松坂大輔、斎藤佑樹の「復活」報道

   ソフトバンク・松坂大輔(36)が「好調」、日本ハム・斎藤佑樹(28)は「開幕投手候補」。2017年のプロ野球オープン戦開始前、かつての甲子園ヒーロー投手2人の「復活」を期待させるこんな報道が続々と出されてきた。

   ところが実戦登板で、松坂は2回1失点で「やればやるほど悩む」、齋藤も2回5失点の炎上。報道内容とはかなりのギャップがあり、あたかも事実とかけはなれた「フェイクニュース」を思わせる事態が続いた。

  • 松坂大輔と斎藤佑樹(画像はそれぞれ福岡ソフトバンク・ホークス、北海道日本ハム・ファイターズ公式サイトから)
    松坂大輔と斎藤佑樹(画像はそれぞれ福岡ソフトバンク・ホークス、北海道日本ハム・ファイターズ公式サイトから)
  • 松坂大輔と斎藤佑樹(画像はそれぞれ福岡ソフトバンク・ホークス、北海道日本ハム・ファイターズ公式サイトから)

松坂に対し「期待が持てる」

   松坂は大リーグ晩年からパッとしない成績が続く。2014年オフにソフトバンクに入団したが、15年8月に受けた右肩手術の影響もあり、15年の1軍登板はゼロ。16年は10月2日に1度だけあったが1回3被安打5失点4与四死球の乱調で「引退」もささやかれた。

   それが17年に入って練習を始めると、1月27日、ファーム施設でいきなりブルペンで捕手をつけての53球の投げ込みと、10キログラム近く絞られたであろう体を見せ、「飛ばしているわけでもなく、焦っているわけでもなく、一昨年夏に手術を受けた右肩の状態が良好なことの裏返しだろう」(1月28日付「西日本スポーツ」)と前向きな報道が出た。2月14日付「THE PAGE」は「SB松坂大輔に復活予感が漂う理由とは?」の見出しで特集し、野球解説者の池田親興(57)が松坂のフォームのぶれがなくなった点を指摘しながら「方向性としては期待が持てるものだと思う」と期待を持たせるコメントをした。

   ところが2月25日、巨人B組との練習試合で年明け後初めて実戦登板すると、2回1被安打1失点3与四球、試合後は「やればやるほど悩む。あれもこれもと出てくる。戻れるなら1か月前に戻りたい」ともらし、一転して不安を感じさせた。

「開幕投手候補」の斎藤、実戦は

   同じく今季のキャンプで「復活」報道が多数出たのが日本ハム・ファイターズの斎藤だ。プロ入りした2011年の6勝から1軍での勝利数は年々減り、16年は0勝に終わった。それでも17年に始動すると、51球を投じた2月2日のブルペン入り後、2月4日付「デイリースポーツ」は「7年目で例年にない手応えだ」とし、栗山英樹監督が斎藤を開幕投手候補に指名したと伝えた。2月3日付「スポーツ報知」も「僕の中で去年と比べて状態はよかった。コンディションは100%に近い状態」と斎藤自身が感じた「手応え」を伝えている。昨秋から右腕の可動域を広げるよう鍛え、ツーシームが武器になったとスポーツ紙で伝えられ、期待が高まった。

   「ハンカチ王子」のカムバックをたぎらせた斎藤だったが、2月21日の楽天との練習試合では2回7被安打5失点と崩壊。開幕1軍も危ぶまれる登板となった。

   これまでもプロ野球のキャンプやオープン戦を伝える報道には、期待をもたせるものが多く、実際に3月末の開幕になると、一向に活躍しない選手がいた。今季はこの二人が典型だという声もある。