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「ブラタモリ」わかりやすさで「地質学の普及に貢献」 学会表彰へ

   タレントのタモリさんが出演するNHK総合テレビの「ブラタモリ」(土曜日、19時30分放送)が、「地質学の社会への普及に貢献した」として、日本地質学会から表彰される。

   「ブラタモリ」は2009年10月からシリーズ化され、放送を開始。視聴率が10%を超える人気番組で、地理好き、地質好きで玄人はだしのタモリさんとNHKの近江友里恵アナウンサーとの掛け合いと、地域の学芸員や地質学の研究者らの専門的な解説を交えながら進む「町歩き」が特徴だ。

  • 人気の「ブラタモリ」、日本地質学協会が表彰(画像は、NHK「ブラタモリ」のホームページ)
    人気の「ブラタモリ」、日本地質学協会が表彰(画像は、NHK「ブラタモリ」のホームページ)
  • 人気の「ブラタモリ」、日本地質学協会が表彰(画像は、NHK「ブラタモリ」のホームページ)

「この番組が今後も長く続くことへの期待も込めて」

   日本地質学会は、2017年6月16日付のホームページで、NHKの「ブラタモリ」制作チームを学会表彰に推薦することを明らかにした。

   「『ブラタモリ』ではゲストに地学の普及に関わる学芸員・研究者などが出演。地学的な概念や地形・地質の発達過程をイラストやアニメーションを効果的に用いて説明し、視聴者の理解を助けている。タモリ氏の地理・地質好きというキャラクターに負う面も大きいが、それ以上に、訪問地や番組構成、解説する専門家などを決定する番組スタッフの地理・地質の重要性の理解がこの番組を成功に導いていると考えられる」と評価。「この番組が地質学の普及に貢献しているのは明らかである。この番組が今後も長く続くことへの期待も込めて、学会表彰に推薦する」と、地質学への貢献度を称賛した。

   直近の2017年6月17日の放送「尾張名古屋は 家康でもつ?」では、タモリさんが名古屋を訪問(10日に第1弾を放送)。年間670万人が参拝にやってくるという熱田神宮の周辺を歩き、徳川家康がなぜ名古屋から南に伸びる台地の上に町をつくったのか? 探った。

   その番組の中でも、東海道の熱田~桑名間が唯一の海路(七里の渡し)である原因が「木曽三川」(揖斐川、木曽川、長良川)にあることにふれ、河川が濃尾平野の西側(岐阜県寄り)に片寄ったのは、「また、あれですか」(断層が走るため)と、タモリさんが指摘。地質学への造詣の深さをうかがわせた。

「これはタモリを表彰すべきじゃね」

    「ブラタモリ」が日本地質学協会から表彰されることに、インターネットの掲示板などには、

「なぜ、そこに為政者が町を作ったのかなど歴史を絡めてわかりやすくしてるのがいい」

「うちの親父も『これ、ただの街歩き番組だろ』って言ってたけど、流石に学術的な掘り下げが多いと理解したのか最近は黙った」

「タモリの地理・地質好きというのは観ているだけで伝わってくるしタレントだけあって、一般人にも専門家レベルの地質の話を楽しくわかりやすく話してくれるのが好き」

「ただの町案内じゃなく、地質的にどうだからこうなったというのは見ていて面白い。つい見ちゃうわ」

   との声が寄せられ、「納得」といったところ。

   また、テレビ朝日系列の深夜バラエティの長寿番組「タモリ倶楽部」でも、たびたび「地形」「地質学」をテーマに取り上げていることもあり、

「表彰するならタモリ倶楽部もお願いしますよ」

「これはタモリを表彰すべきじゃね」

   と言った声も。

「歴史学会からも表彰しましょ!」

   との声もあった。