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蓮舫代表、戸籍公開へ 「二重国籍」問題の党内不満へ配慮か

   民進党の蓮舫代表が、日本国籍と台湾籍の「二重国籍」問題で、これまでは応じてこなかった戸籍謄本の公開に向けて、前向きな姿勢を示した。時事通信などが2017年7月11日午後、党幹部による情報として伝えた。

   蓮舫氏の二重国籍問題をめぐっては、東京都議選(7月2日投開票)での議席減を受け、所属国会議員らから不満や疑問の声があがっていた。

  • 民進党の蓮舫代表(2017年7月6日撮影)
    民進党の蓮舫代表(2017年7月6日撮影)
  • 民進党の蓮舫代表(2017年7月6日撮影)

今井衆院議員「まずは、蓮舫代表の二重国籍問題を解決することだ」

   時事通信の記事によると、11日午後にあった党執行役員会で、蓮舫代表が「戸籍(謄本)を示し、近々説明する」と述べた。党幹部が明かしたという。

   これに先立つ9日には、同党の今井雅人・衆院議員がツイッターで、「都議選の大敗」を受け、

「まずは、蓮舫代表の二重国籍問題を解決することだ」

と指摘。さらに、

「この問題をうやむやにしてきたから、うちの党はピリッとしないのである」

との分析を披露し、従来、資料公開に応じてこなかった蓮舫代表の姿勢を批判した。

   また、原口一博・元総務相も9日のツイッターで、蓮舫氏が16年9月の代表選の際、

「(国籍問題は代表選後に)詳らかにするようにと言う条件付で決着させたと理解しています」

との見方を示した。また、

「どの国に生まれたかは本人にどうしようもないこと。しかし公人」

と、明言はしていないものの、説明責任を果たすよう暗に求める内容も投稿した。

   都議選敗北の結果を受け、蓮舫執行部への不満がくすぶっており、「二重国籍」問題の解決を求める声は、今井、原口両議員に限らず、一定程度広がりを見せていた。今回の蓮舫代表の方針転換は、こうした不満の声へ配慮したものとみられる。

16年10月には「(日本国籍の)選択宣言をした」と説明

   蓮舫代表の「二重国籍」問題は、16年9月の民進党代表選の際にあらためて注目を集めた。従来は、17歳の時に日本国籍を取得し、台湾籍を抜く作業をしたと説明していた。しかし、9月13日の会見で、指摘を受け調べたところ、台湾籍が残っていたとの連絡を受けたと公表。10月15日には記者団に対し、台湾籍の離脱を証明する書類が届き、日本の役所に出したが受理されず、「(日本国籍の)選択宣言をした」と説明した。国籍法上は、22歳までに国籍選択を行う義務がある。

   また、関係資料の公開に関しては、日米の二重国籍だった自民党の小野田紀美・参院議員と蓮舫代表の対応の差もクローズアップされた。小野田氏は17年5月、米国の国籍喪失証明書が届いたとして、写真付きでフェイスブック(FB)に載せるなど、複数回にわたり資料公開を行った。一方、蓮舫代表は5月25日、小野田氏の取り組みを受けて報道陣から「同様の公開をする気はないか」との趣旨の質問を受けたが、「(公開する考えは)ないです」と答えていた。

   今後、蓮舫氏が資料を公開したとして、それで求心力が回復するのかどうかは未知数だ。10か月近くも問題の解決を先送りし、都議選で自民党が大敗する中、議席を増やすどころか減らしてしまった現状への不満の声は、すぐには収まりそうにない。