J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

元「民進組」に「立憲民主合流」「出戻り」説 衆院選後の「民進100億円」も焦点

   「希望」「立憲民主」「無所属」の3つに分裂した民進党は2017年10月22日の衆院選開票で独自に開票センターを設置し、前原誠司代表が会見する予定だ。前原氏は衆院解直後の両院議員総会で、希望への事実上の合流を表明したが、希望側が「排除」を表明したことで分裂劇につながった。希望が選挙戦序盤で失速したこともあり、前原氏が分裂劇の責任を追及されるのは必至。進退問題にも発展しそうだ。

   一方で、無所属や立憲民主から出馬した候補や、参院民進党による「再結集」や新党「合流」論もくすぶっており、野党再編の可能性も残されている。

  • 開票日には前原誠司代表の進退も問われそうだ
    開票日には前原誠司代表の進退も問われそうだ
  • 開票日には前原誠司代表の進退も問われそうだ

当初は数年以内に参院も「希望」に合流するはずだった

   前原氏は9月28日の両院総会で、前衆院議員は前原氏以外の全員が民進党を離党するものの、それ以外の参院や地方議員は民進党として存続すると明言。ただ、

「それ(編注:参院議員の改選=2019年夏)まで民進党ということで参院議員を活動させるということは、考えていない」

とも述べ、数年以内に民進党全体を希望に合流させる考えを示唆していた。

   だが、希望の「排除」による分裂劇で、前原氏の方針に参院から異論が噴出した。福山哲郎参院議員は立憲民主党に参加し幹事長に就任。民進党に残った小川敏夫参院議員代表は10月12日の街頭演説で「民進党は不滅です」などと発言し、「再結集論」を唱えたと受け止められていた。小川氏は10月15日にツイッターで

「『希望に行った人にも戻ってもらう』との私の発言が一部で報道されています。これは『希望を離脱した人を受け入れるか』との質問に答えたものにすぎません。私は、存続している民進党を軸、自民党に対抗するリベラル勢力結集の必要性を述べただけで、民進党への再結集とは述べていません」

と書き込み、「出戻り」を歓迎する考えを明らかにした。小川氏は今回の選挙戦で、参院民進党が希望に合流することはないとの立場を繰り返し表明し、応援演説でも立憲民主や無所属の候補を応援してきた。蓮舫前代表も立憲民主や無所属を中心に応援演説に立っており、衆院選後の軸足の置き方が注目されそうだ。

福山氏、無所属「大物議員」との連携に前向き

   一方の福山氏は、10月19日夜、BSフジ「プライムニュース」で、民進党への再合流を否定。別に新党を立ち上げて民進、立憲民主のメンバーが合流する可能性も否定した。

「新党を作って双方から集まることもない。我々は立憲民主党という党をつくったわけですから」

   ただし、岡田克也元外相、野田佳彦前首相ら民進党出身で無所属で出馬している「大物議員」との連携については、福山氏は

「選挙が終わってからは、しっかりお話し合いをしていくのは、それはもちろん否定はしません」

と前向きだ。同じ番組に出演していた希望の細野豪志元環境相は、民進への再合流について

「まったくあり得ないの一言に尽きる」

と断言した。

   選挙戦最終日にあたる10月21日、前原氏は福岡市内と北九州市内の計3か所で希望の立候補者の応援演説に臨む予定だ。

民進党の100億円はどうなる?

   100億円以上あるとみられる民進党の資金の行方も焦点だ。前原氏は9月28日の記者会見は、

「その使い道についてはまったく決めていない」

と述べるにとどめていた。希望の党の若狭勝氏は9月30日、「ウェークアップ!ぷらす」(読売テレビ)で、

「これはまったく100%否定しておきますが、民進党が持っている政党交付金を希望の党が譲り受けるとか、もらうとか、そういうことは絶対にない」

と述べたが、政党交付金以外の資金については特に言及しなかった。枝野幸男氏は10月2日の立憲民主党立ち上げの記者会見で、民進党に人、組織、資金面で協力を求めていくかについて問われ、

「一定の範囲でご協力をいただけるものと思っている」

と答えていた。選挙後、この100億円をめぐる議論が再燃するのは確実だ。