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今度は貴乃花に「応援団」か 立川志らく「なんでいけないの?」 石原慎太郎「勇気は素晴らしい」

   横綱・日馬富士の暴行問題で、殴られたとされる幕内・貴ノ岩の師匠・貴乃花親方の動向には批判が出ているが、ここにきて理解を示す声や称賛する声が相次いで出てきた。

   落語家の立川志らくさんは「なんで貴乃花がいけないの?」「だから角界から暴力が消えないんだよ」とツイッターで反応すれば、石原慎太郎・元東京都知事は暴力を告発したとして、その行動を称賛している。

  • 貴乃花親方(画像は貴乃花部屋の公式サイトから)
    貴乃花親方(画像は貴乃花部屋の公式サイトから)
  • 貴乃花親方(画像は貴乃花部屋の公式サイトから)

「何故被害者側が非難されるの?」

   元小結・旭鷲山氏は2017年11月22日放送の「とくダネ!」(フジテレビ系)の取材に、今回の騒ぎが大きくなった要因の1つとして「あの部屋(貴乃花部屋)の人を殴ったのが間違いだと思う。軽いか重いかわからないけど、他の親方だったら何とか話をつけたり、いろいろできる可能性があった。あの親方はちょっと話を聞かないと思います」と述べた。

   この発言に対し、番組では獨協大学特任教授でコラムニストの深澤真紀氏が

「他の部屋の力士を殴ったら問題にならなかったと仰っていて、私は相当びっくりした。貴乃花部屋だけがたぶん特殊な部屋なのでしょう。ただその特殊さは、私たち一般社会からすると、殴られたら問題化するという意味では貴乃花親方のほうがまともだと思います。少なくとも相撲界全体がそういうイメージだとすると、貴乃花親方が意固地になってしまう理由も...」

と貴乃花親方に一定の理解を示した。

   また、落語家の立川志らくさんは22日にツイッターで「テレビで旭鷲山のコメント、ありゃ酷い」としてこう投稿。

「貴乃花部屋の力士を殴った事が間違い、他の部屋の親方だったらなんとか話をつけられた云々。なんで貴乃花がいけないの?他の親方なら揉み消せた?だから角界から暴力が消えないんだよ。貴乃花はそれが分かっているから警察沙汰にしたんだ。滅茶苦茶過ぎる」

   貴乃花親方は巡業部長でありながら秋巡業中の10月26日未明に起きた暴行について、日本相撲協会に報告せずに、鳥取県警へ同月29日に被害届を提出した。これに志らくさんはツイッターで、「それが巡業部長として駄目なのはわかる。それはそれで処分すればいい」としながら、

「何故被害者側が非難されるの?日馬富士が暴力を振るっていないと言っているならば話は別。暴力を認めているんだよ。非難されるのは日馬富士でしょ」

と率直な疑問も示した。日馬富士は、県警による17日の任意の事情聴取に対して暴行の事実自体は認めている。

石原慎太郎氏「正式に告発した貴乃花親方の勇気は素晴らしい」

   石原慎太郎・元東京都知事も22日、ツイッターで「これだけモンゴル人の力士が増えると相撲協会も彼等に気兼ねせざるを得まい」とした上で、

「横綱の目下の者への暴力は相撲道の恥だ。それを正式に告発した貴乃花親方の勇気は素晴らしい」

と称賛した。

   貴乃花親方は、ここまで情報提供をほぼシャットアウトしている。11月21日付の朝日新聞では関係者の話として、協会の危機管理委員会が要請した貴ノ岩への聴取を、親方が「警察の捜査が優先」として拒否したと報じた。

   こうした「反協会」的な沈黙がネガティブな憶測も呼んでいる。21日「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日系)では、ある横綱審議委員が「貴乃花親方をこらしめないとダメだ。今の協会が悪くて現理事を一掃することが正義だと思っている」「己の目的のために横綱という宝を利用するのはいかん」と批判。これに東京相撲記者クラブ会友・大隅潔氏は「結構的を射ている」と同調した。

   だが、前出の「とくダネ」では、小倉智昭さんが「不信感が強いんでしょう。そういう協会をこれから自分が改革しないといけないという意志が、ここに表れていると思う」と、協会に報告しなかったことに一部理解を示すように話していた。

   協会執行部への不信の背景について、22日発売の週刊文春(11月30日号)は貴乃花一門の関係者の話としてこう報じた。15年11月に北の湖理事長(当時)が病死し、急きょ八角新理事長が就任したが、この時に北の湖体制の外部ブレーンを自分の人脈に一新。北の湖氏をリスペクトしてきた貴乃花親方からすれば、それは八角理事長一派による「相撲協会の私物化にしか映らなかった」と書いている。