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「牛乳石鹸、いい石けん!」 湯桶を盗まれた京都の銭湯に湯桶と石けんプレゼント

   銭湯「京都 玉の湯」が湯桶を一度に5個も盗まれたとしてツイッターに怒りの投稿をしたところ、自社製のものが被害にあったと知った牛乳石鹸が湯桶をプレゼント、嬉しいサプライズが起きる展開になった。

   同銭湯の店長はJ-CASTニュースの取材に「SNSの力に驚きました」と、顛末を明かした。

  • 牛乳石鹸共進社から「京都 玉の湯」に贈られた牛乳石鹸と手紙(写真提供:京都 玉の湯)
    牛乳石鹸共進社から「京都 玉の湯」に贈られた牛乳石鹸と手紙(写真提供:京都 玉の湯)
  • 牛乳石鹸共進社から「京都 玉の湯」に贈られた牛乳石鹸と手紙(写真提供:京都 玉の湯)
  • 牛乳石鹸共進社から「京都 玉の湯」に贈られた湯桶(写真提供:京都 玉の湯)

「物が無くなると営業に支障が出てしまいます」

   京都市役所から程近い場所にある銭湯「京都 玉の湯」は2017年11月23日、ツイッターで

「ちょっと信じられないんですが、昨日1日でケロリン2個(編注:内外薬品社製の湯桶)と牛乳石鹸の桶3個(編注:牛乳石鹸共進社製の湯桶)がいっぺんに無くなった・・」

と、盗難被害を伝えた。「まぁケロリンは『たったの』1400円だし、別にどおって事ないんですが・・・」としつつも、続けて

「きいいいいいいいいいいいいい!!!むかつくうううううううううううう!!!返せええええええええええええええ!!!」

と絶叫。2万3000回以上リツイートされ、他のユーザーから「お腹立ち、お察しします」「悲しいことですよね。返ってきますように」と同情のリプライが続々と寄せられた。玉の湯はこれらに、「軽い気持ちなのでしょうが、寂しい話です」「人の情けが身にしみます」など心境を吐露するリプライを再度送っている。

   玉の湯の西出英男店長は、J-CASTニュースの30日の取材に「22日の営業中は分からなかったのですが、翌日(23日)の清掃の段階で明らかに減っていたので、数えてみると無くなったことに気付きました」と当時の状況を話す。

   被害額は大きくないそうだが、「金額よりも、物が無くなると営業に支障が出てしまいます」と困惑。オーバーリアクションにも見えるツイートは、「怒っていると精神的にも良くないので、少しでも笑いに変えられればと。内心は『怒り』ですよ」と明かしている。

「サンタさんキタ」

   玉の湯はツイートで「桶を持って帰らないでください」と呼びかける貼り紙の写真も投稿していた。これは、半年に1回ほどの頻度で湯桶がなくなるということで以前から貼っていたもの。しかし「5個もいっぺんに、というのは初めてです。それで怒りにまかせてツイートをしてしまいました」という。

   すると1週間と経たないうちに嬉しいサプライズが。玉の湯は28日にツイッターで

「サンタさんキターーーー なんと信じられない事に、牛乳石鹸さんが先日のフロオケ盗難ツイートを見て下さりました。そして桶3個とオマケに石鹸まで送って頂きました!」

と報告。贈られた牛乳石鹸社製の湯桶と石けんの写真も投稿し、「牛乳石鹸さん、拡散して下さった皆様に感謝いたします。ありがとうございます」と感謝した。

   手紙も添えられており、そこにツイッターを見て贈った旨が書かれていたという。西出さんは「それはもう、盗難された時とは真逆の気持ちで、単純に嬉しかったですね」としてこう話した。

「ツイッターを見ていただいたということで、SNSの力に驚きました。以前なら自分の中でモヤモヤしたままだったと思います。時代の進化ですよね」

   牛乳石鹸を製造・販売する牛乳石鹸共進社(大阪市)は12月1日、J-CASTニュースの取材に、「在庫で桶が少数残っておりましたので、弊社の桶をご愛用くださっているほんの感謝の気持ちとして贈らせていただきました」と明かす。玉の湯の感謝のツイートも見たといい、さらに「弊社あてにお電話も頂戴いたしました。お見舞いをお受けいただき光栄でございます」と話していた。