J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

八代英輝、池坊議長の貴乃花批判は「言いがかりに近い」 相撲協会は警察からの連絡後も動かず

   元横綱・日馬富士の暴行事件で、日本相撲協会の池坊保子・評議員会議長による貴乃花親方へのある発言について、八代英輝弁護士が「言いがかりに近いのではないか」と批判した。

   巡業部長の貴乃花親方は、暴行の報告義務を怠ったとして協会から何らかの処分が降される可能性がある。池坊氏は以前、「巡業部長として速やかに報告していれば、(八角)理事長も対処のしようがあったと思います」などと貴乃花親方の対応を疑問視していた。

  • 池坊保子・評議員会議長(画像はNPO萌木の公式ウェブサイトから)
    池坊保子・評議員会議長(画像はNPO萌木の公式ウェブサイトから)
  • 池坊保子・評議員会議長(画像はNPO萌木の公式ウェブサイトから)

「関係者への聞き取りなんかしなかった」

   2017年12月14日放送の「ひるおび!」(TBS系)は、20日に予定されている日本相撲協会の臨時理事会について取り上げた。貴乃花親方は被害者である平幕・貴ノ岩の師匠だが、巡業部長でもある。秋巡業中の10月下旬に起きた酒席の場での暴行問題は、協会への報告義務があるにもかかわらず怠ったという理由で、理事会が処分を検討しているとされる。

   貴乃花親方の「落ち度」については、11月20日に開かれた協会の評議員会後、池坊保子議長が「巡業部長は何かあった時に理事長に報告する義務がある。速やかに報告していれば理事長も対処のしようがあったと思うと残念」と指摘していた。

   「ひるおび」では、元NHK解説副委員長の鎌田靖氏が「協会にとってはそこ(貴乃花親方の報告)が最も重要なポイントと受け止めているみたいですね」と述べた。そして、八代英輝氏が池坊氏の発言に苦言を呈した。

「池坊議長ですか。巡業部長が速やかに報告していたら別の対応があったと言われていますよね。でも実際に何があったか、僕たちは見ていたじゃないですか。(暴行事件が)報道された後、協会は貴乃花親方と(日馬富士の師匠である)伊勢ヶ浜親方の2人に確認しただけで、関係者への聞き取りなんかしなかった」

「実際の因果の流れ、に反する『言いがかり』に近い」

   暴行事件が明るみに出たのは11月14日のスポーツニッポンによる報道。すぐに各メディアに広がり、報道は熱を帯びた。協会の危機管理委員会は同日に伊勢ヶ浜、貴乃花両親方を聴取した。一方、当事者である日馬富士を聴取したのは5日後の11月19日。また、事件の現場に同席していた鶴竜や照ノ富士を聴取したのは、さらにその4日後の11月23日だった。こうした協会の対応は、当時から各メディアでも「後手に回っている」と指摘されていた。

   さらに、貴乃花親方は事件の初報から約2週間前の10月29日に鳥取県警へ被害届を提出し、協会は11月2日に県警から連絡を受けていたことも明るみに出た。翌11月3日に両親方から電話で事情を聞き、2人とも「分からない」と答えたという。ここから11月14日までは10日間以上ある。

   八代氏は番組で、

「報道が過熱してきてから(協会の)聞き取りが始まったわけで、(貴乃花親方の報告が)何日か早くても、当事者たちへの聞き取りは実際なされなかったと思うんです」

と指摘。上記の池坊氏の発言について、

「この言い分は実際の因果の流れ、時間経過の流れに反する『言いがかり』に近いのではないかなと思います」

と批判した。さらに

「(11月2日に)警察から連絡があった後も動いていないのに、『(貴乃花親方が)もっと早く言っていれば動いたはずだ』というのはおかしいのではないかと思っただけなんです」

と首を傾げていた。