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紅白出演で「安室奈美恵性」が失われる? 常見陽平氏が「納得いかない」3つの理由

   「納得がいかない」――安室奈美恵さん(40)がNHK紅白歌合戦へ特別出演することに異論が出た。

   千葉商科大学国際教養学部の専任講師、常見陽平氏(43)はブログで、「特別枠」とはいえ「紅組が有利になってしまわないか」などの理由をあげ、安室さんの出演に再考を求めた。もし出演するならば、小沢健二さんなど男性歌手も投入すべきと提案した。

  • 安室奈美恵さん(C)FAMOUS
    安室奈美恵さん(C)FAMOUS
  • 安室奈美恵さん(C)FAMOUS

「らしくない」行為

   安室さんの紅白特別出演は、NHKが2017年12月19日に発表。03年以来14年ぶりの出演で、18年9月での引退を表明した安室さんにとって「ラスト紅白」のステージに期待が高まっている。先に発表されていた出場歌手一覧には名前がなかっただけに、特別出演の発表は一層話題を集めた。

   ところが、常見陽平氏は腑に落ちていない。17年12月20日の常見氏のブログは「納得がいかない。安室奈美恵のNHK紅白歌合戦出演についてである」の書き出しで始まる。理由は大きく3つに分けられる。

   まず「『らしくない』行為」と適示。「ファンや、国民の期待は分からなくはない」としつつ、

「常に自分のペース、世界をつくる安室奈美恵にとって、安室奈美恵らしい行為なのだろうか。これにより、彼女の安室奈美恵性が失われてしまうのではあるまいか」

と疑問を述べ、「安室奈美恵が、安室奈美恵らしく引退するためには、ここは紅白出演断固拒否の姿勢をとるべきではなかったか」と主張した。

   「安室奈美恵らしさ」とは具体的に何なのか。常見氏は20日のJ-CASTニュースの取材に、「安室さんがデビューして、社会現象を起こして、全盛期の20歳で結婚して出産したりしていったことには衝撃を受けてきました。想像もつかないことをやるなと、同世代なのに胆力のある人だなと」と話す。その上で、

「歌番組にはほとんど出演しなくなりました。そして『ライブ』という場で自己表現を続けてきました。この姿勢を貫き、紅白にも出ずに去ったほうが『伝説』になったのではないかなという気がします」

と述べる。

「紅組が有利になってしまわないか」

   労働社会学が専門の常見氏。ブログで2つ目にあげたのは「紅白とは究極の休日出勤である。引退を控えた者に年末くらい休息を与えても良いのではないか」という考えだった。

   そして3つ目にあげた理由は「紅白という闘いの公平性が損なわれてしまう」というもの。安室さんは紅組・白組いずれにも属しない「特別出演」だが、存在感の大きさなどに鑑み「視聴者は紅組が立てたヒットマン、刺客として見てしまうのではないか」と指摘。さらに、そもそも紅白歌合戦は「紅組と白組の闘争なのである」とした上で

「この天下分け目の戦いにおいて、特別枠とはいえ、安室奈美恵を投入することは紅組が有利になってしまわないか。この闘いにかける白組の士気は下がってしまうのではないか」

と推測した。

   こうした点から常見氏は「今からでも遅くない。安室奈美恵は出演を再考するべきだ」「怒りの火柱を断固として燃え上がらせるのだ。無慈悲な鉄槌を振り下ろすのだ」と改めて訴えた。

   一方で、それでももし安室さんが出演するならば、「白組勢の特別枠」を設けるべきだとも主張。具体的には

「小沢健二とCorneliusによるフリッパーズ・ギター再結成や、小沢のソロでの出演、さらにはキタサンブラックの馬主で知られる北島三郎の電撃復帰などに期待したい」

としている。

   名前があがった小沢健二さんは17年2月、19年ぶりのCDシングル「流動体について」を発売して活動を本格再開。「Cornelius(コーネリアス)」の小山田圭吾さんと組んだ「フリッパーズ・ギター」(1991年解散)で一世風靡し、ソロ転向後も数々の名曲を送り出してきた。キタサンブラックは17年、競馬界10年ぶりの天皇賞春秋連覇を達成した上、年末の有馬記念をもって引退する。事実上の馬主である演歌歌手・北島三郎さんの競馬場での「熱唱」が大きな話題を集めていた。なお北島さんは2013年を最後に「紅白引退」を表明している。

   常見氏は取材に対して「紅白は『歌の交流会』でなく『歌合戦』であり、最後には投票も行って勝ち負けを決める戦いなんです。だからこそ、白組側が不公平にならないような配慮をNHKに求めたいですね」と話していた。