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アキバ名物店「秋葉原MAD」閉店へ 「あのアナウンスがもう聞けないのか」

   刀剣類や防犯用品など一風変わった品揃えで知られ、秋葉原の「名物店」として親しまれてきた「秋葉原MAD」(東京・千代田区)が閉店する。

   同店の担当者が2018年2月16日昼、J-CASTニュースの取材に「今週いっぱいで閉店になります」と話した。インターネット上では、「寂しくなります」「アキバらしい店がまた減る...」などと惜しむ声が広がっている。

  • 秋葉原MADが閉店へ(Wikimedia Commonsより、多摩に暇人さんが2015年に撮影)
    秋葉原MADが閉店へ(Wikimedia Commonsより、多摩に暇人さんが2015年に撮影)
  • 秋葉原MADが閉店へ(Wikimedia Commonsより、多摩に暇人さんが2015年に撮影)

「もし手に携帯電話をお持ちの場合破壊します」と注意書き

   同店は、秋葉原の電気街のメーンストリート「中央通り」沿いに10年以上前から店を構える老舗店。盗聴・盗撮器を発見するための機器やスタンガンなどの防犯用品、刀剣類にDVD・CDの複製機器など、個性的な商品を取り揃えていたことで知られる。

   店のウェブサイトでは、店内での携帯電話の使用や飲食、メモ書きなどの禁止事項を列挙。その上で、「違反者は生命の保証なし」「もし手に携帯電話をお持ちの場合破壊します」など、本気か冗談か分からない過激な注意文が掲載されている。

   同店といえば、個性的な店内アナウンスでも知られる。店長が定期的に収録しているもので、激しい政治批判や社会風刺を織り込むこともしばしば。店について紹介する際には、

「ハナのアキバは 中央通り ひょいと でました 変な店 その名もマッド(略)アキバで一番おめでたい アキバで 一番おもしろい アキバで一番 変な店」

との決まり文句が使われる。ちなみに、店頭ではこのアナウンスを収録したCD(1枚500円)も店頭で販売。公式サイトによれば、そのバリエーションは「第94弾」まで存在するという。

   こうした独特の雰囲気で愛されてきた同店が、秋葉原の地から姿を消す。J-CASTニュースが16日、店の担当者に電話で話を聞いたところ、「今週いっぱいで閉店になります」とした。閉店の理由なども尋ねたが、担当者は、

「いま、バタバタしてますので...」

とだけ話し、そこで電話は切れてしまった。

「こんなアキバにゃオサラバだ」

   実は、秋葉原MADが近く閉店することは、店内のアナウンスでも伝えられていた。店を訪れたユーザーが録音し、ツイッターに投稿した音声データを聞くと、

「グッバイ、グッバイ、アキバにゃグッバイ。売りつくしセール実施中。店内の商品どんどん値切ってください。(中略)MADももう終わり。こんなアキバにゃオサラバだ」

などと店長が話していることが分かる。そのほか、閉店の旨を伝えるアナウンスでは、外国人観光客が増えたことなどの理由で秋葉原の雰囲気が変わったことを嘆くようなフレーズもあった。

   秋葉原MADの閉店を受けて、ツイッターやネット掲示板には、

「こういった店があってこそのアキバなのに...」
「良く店頭アナウンスのCD買いましたっけ。また寂しくなります。カオスな秋葉原がまた1つなくなります」
「アキバらしい店がまた減る...」
「MAD閉店なんすか。あのアナウンスがもう聞けないのか」

などと閉店を惜しむ声が相次いで寄せられている。

   また、「元祖アキバ系女王」のキャッチフレーズで知られる歌手の桃井はるこさん(40)も12日のツイッターで、「秋葉原MAD閉店ってまじですか...」とショックを受けた様子で呟いていた。