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「日本一有名な」個人ゲーム店、35年の歴史に幕 名物女性店長に「思い」を聞くと...

   東京・葛西で35年以上続いた有名店「GAMES マーヤ」(東京都江戸川区)が、2018年4月8日をもって閉店する。店長の秋谷久子さんが3月14日、自らの体調を理由に閉店を決めたと公式ブログで伝えた。

   個人経営ながらもゲームファンや業界関係者の間では広く知られ、有名ゲームの開発者らも数多く来店。「日本一有名な個人ゲームショップ」との呼び声も高かっただけに、ネット上では「ショックで言葉が出てこない」などと閉店を惜しむ声が相次いでいる。

  • 「GAMES マーヤ」の外観 (C)2018 Google
    「GAMES マーヤ」の外観 (C)2018 Google
  • 「GAMES マーヤ」の外観 (C)2018 Google

葛西の「GAMES マーヤ」、4月8日で閉店

   葛西駅から徒歩3分の場所に店を構える「GAMES マーヤ」。店長の秋谷さんら数人のスタッフで切り盛りするアットホームな雰囲気の個人ゲームショップだ。開業当初は玩具屋だったが、ファミコンの大流行もあってゲーム専門店に衣替えした。

   そんな歴史を持つマーヤの閉店は、秋谷さんが店の公式ブログで明らかにした。「長い間、お世話になりました。あと22日です」とのタイトルで、

「4月8日で『ゲームズマーヤ閉店』を決めました。葛西の地で35年余り、本当にお世話になりました。大変な事もありましたが、今はいい思い出楽しかった事だけが浮かんできます。有難うございました」

と伝えたのだ。

   閉店の理由については、自身の体調を考えたためと説明。17年8月に体調を崩しており、医師からも「一度ゆっくり休んで下さい」と忠告されていたという。ブログでは、残りの営業について、

「全力で頑張りますので、わたしのラストランを見守って下さい」

ともつづっている。

「ゲーム小売業界の一時代が終わった」

   秋谷さんといえば、過去にはゲーム専門誌でも連載を持つなど、業界では広く知られた「名物店長」。ゲームの体験イベントや新作発表会も数多く行われ、これまでにも人気プロデューサーをはじめ数多くの業界関係者が店を訪れてきた。

   同店が業界で愛されたことを示すこんなエピソードもある。2011年発売のゲーム「ダンボール戦機」の作中に、ゲームズマーヤと秋谷店長が登場したのだ。当時のゲーム専門誌の取材に秋谷さんは、出演のきっかけについて、開発会社の社長に誘われたためだと明かしていた。

   閉店の知らせを受けて、ネット上のゲームファンからは惜しむ声が続出。ツイッターやネット掲示板には、

「マーヤ閉店ってマジかよ。。。悲しすぎる」
「マーヤも遂に閉店するのか~時代の流れを感じる」
「マーヤ閉店があまりにもショックで言葉が出てこない」
「なんだかゲーム小売業界の一時代が終わったという寂しさがあるな お疲れ様でした」

といった声が相次いでいる。

秋谷さん「お店をやっていて良かった」

   こうした温かい反応について、店側はどう思うのか。15日昼のJ-CASTニュースの取材に応じた秋谷さんは、「本当にありがたいです。皆様に支えて頂いた店だということが、改めて分かりました」と話す。

   体調不良での閉店を受けての思いを聞くと、秋谷さんは「お店を続けたい気持ちはありましたけど、ドクターストップがかかってしまったので。仕方ないですね」とポツリ。また、ゲーム開発者らを店に招くイベントを数多く企画してきたことについては、

「やっぱり、お客様の反応をメーカーの人に伝えたかったんですよ。お金を出してソフトを買った人の気持ちを汲んで、ゲームを作って欲しかった。私のワガママかもしれないけど、そういう思いからイベントを始めたんです」

と振り返る。特に印象に残っているイベントも尋ねたが、「もういっぱいありすぎて、ちょっと...」と笑っていた。

   また、閉店の知らせを受けて常連客やゲーム業界関係者からは多くの連絡が来ているとして、秋谷さんは、

「あるメーカーさんからは、閉店を惜しんでキャラクターを貸してくれるという連絡も貰いました。こうした温かいお話を頂けると、やっぱり、お店をやっていて良かったな、と思います」

と話していた。