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日本マクドナルドHD、連日年初来高値 内需株の主力、好業績受けて買い集まる

   日本マクドナルドホールディングス(HD)の株価が2018年4月に入って連日のように年初来高値を更新している。円高傾向が続く中、円高が材料・燃料コスト減につながりプラスに働く内需株の代表選手として投資家の人気を集めている。

   ただ、為替の追い風に頼るまでもなく業績は好調で、不祥事を克服した再成長への期待も高まっている。

  • 年初来高値を更新、日本マクドナルドの株価は高水準
    年初来高値を更新、日本マクドナルドの株価は高水準
  • 年初来高値を更新、日本マクドナルドの株価は高水準

メニューのテコ入れ、清潔な店作り

   日本マクドナルドHDの株は2月以降、4000円台後半で冴えない展開が続いていた。その主因は2月13日に発表した2018年12月期連結決算の業績予想で、純利益について前期比18.8%減の195億円を見込むとしたためだ。

   2014年に期限切れの鶏肉を使用したとされた「鶏肉偽装問題」が発生し、その後も異物混入が起きたため顧客離れが激しくなり、業績が悪化した。しかし、食べ応えを重視してメニューをテコ入れし、単価を少しずつ上げる戦略のほか、かつて支持されていた「清潔な店舗作り」など、地道な施策の効果もあって業績は急回復を遂げていた。2月13日に業績予想と同時に発表した2017年12月期連結決算では、純利益が前期比4.5倍の240億円となり、2001年の株式上場後の最高益を記録した。それだけに2割近い純利益減少予想に投資家が嫌気し、売りが先行する局面が続いた、というわけだ。

   ただ、最高益といっても鶏肉偽装問題で得た和解金など一時的な利益が120億円押し上げており、2018年12月期にその反動で減益となるのはさほど不思議なことではない。実際、人件費負担増などの逆風があっても2018年12月期の営業利益は15.3%増の218億円を予想している。そのため、きっかけがあれば上昇基調に乗る下地はあった。

ディナータイムの客をつかむ

   そうした中で株価上昇を後押ししたのは、4月4日に発表された3月の既存店売上高が前年同月比10.0%増と高成長を見せたことだ。これで既存店売上高は28か月(2年4か月)連続のプラス。3月には17時以降、定番バーガーのパティ(パンで挟む具)がプラス100円で2倍になる「倍バーガー」を「夜マック」として開始したことが支持を得て、ディナータイムの顧客を引き寄せたことも功を奏した。これを受けて4月5日の株価は一時、5130円をつけて年初来高値を更新。10日に5280円まで上昇し、その後も5200円前後の高水準で推移している。

   主力商品「ビッグマック」のキャンペーンを足元で展開していることも株価を後押ししているようだ。ビッグマックは米国で1968年に誕生して今年で50周年。これを記念し、期間限定バーガーの投入やユニクロなどとのコラボレーションを4月から順次始める。期間限定バーガーはベーコンを加えた「ビッグマック ベーコン」(税込み450円)、ベーコンやレタスが入った「ビッグマック BLT」(同490円)。ユニクロとのコラボでは、ユニクロのクーポンTシャツ(税別1500円)を買ってマクドナルドの店舗に着ていけばビッグマックのセットが100円安くなるというもの。主力商品のキャンペーンは来店客の増加などさまざまな効果があるとみられている。