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次官セクハラ問題「海外では名乗って告発」 デーブ氏の主張は正論?

   財務省の福田淳一事務次官のセクハラ疑惑をめぐり、デーブ・スペクターさんが2018年4月22日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)の中で熱弁をふるった。

   デーブさんはここ数日、福田次官のセクハラ疑惑について各所で持論を展開。この日も「海外では自分の名乗り、告発する」と指摘したほか、セクハラ被害の証拠とされる音声データについても編集せずに「全部出すべき」だと訴えた。

  • デーブ・スペクターさん(2016年8月撮影)
    デーブ・スペクターさん(2016年8月撮影)
  • デーブ・スペクターさん(2016年8月撮影)

「一番発信力があるメディアの人が名前を伏せる

   「週刊新潮」(4月19日号)によって報じられた、福田次官によるテレビ朝日女性記者へのセクハラ疑惑。福田次官はテレ朝が被害を公表した後も「全体をみればセクハラに該当しないことは分かるはず」として事実関係を否定し続けており、双方の主張は真っ向から対立している。

   22日のサンジャポでは冒頭からこの問題を特集した。そこで一際熱心に意見を述べたのがデーブさんだった。

   デーブさんは「セクハラそのものを軽視しているわけではない」と前置きした上で、

「僕が言いたいのは、セクハラの事件って色々なレベルがある(ということ)。それこそ怖いとか逃げられなかったとか、密室だったとかいろんなことがある。今回は帰ろうと思えば帰れたし、(福田次官が)どういう人か全部分かっていた」

と指摘した。

   今回の件を受けては野党議員が米国発のセクハラ告発運動「#MeToo」にならって抗議をしたことが注目を集めたが、デーブさんは

「野党もMe Too、Me Tooってしゃしゃり出てきて言ってるけど、海外では名乗って言いなさい、あるいは告発しなさいってみんな言ってるのに、(今回の件では)一番発信力がある、一番言える立場のメディアの人が名前を伏せる」

と海外の状況と比較しながら疑問を呈した。

   また、テレビ朝日が行った会見の内容にも言及した。会見によれば、女性社員は福田次官からのセクハラについて「報じるべきではないか」と上司に相談。だが上司は本人が特定されて二次被害が心配されることなどを理由に「報道は難しい」と伝えたという。

   これについてデーブさんは「(女性社員は)毎日出社しているとも聞いている。(ここでいう)二次被害というのは、テレビ局がうける二次被害ですよ。取材を自由にさせてくれなくなるという意味で、彼女にとってものじゃない」と主張。「『セカンドレイプ』とか、アホなコメンテーターが安易に使っちゃダメ。本当にそういう立場におかれている気の毒な人たちがいるんですよ」とも訴えた。

   そして「(音声データを)出すのなら麻生さん(財務相)が言っているように全部出さないとダメ。編集もいけない。アメリカでは一応相手側の言い分を聞くというのはある」と語り、女性側の声がプライバシーに配慮して消されていることなどを問題視した。

「正論すぎる」「欧米とは全く土壌が違う」

   デーブさんの発言はインターネット上でも話題に。ツイッター等には

「デーブさんが珍しくマトモなこと言ってる」
「デーブさんの意見めっちゃわかるわ...」
「デーブが本当に正論すぎる」
「デーブさん、ギャグは寒いが正論」

といった同意する声が上がる一方、

「デーブさんは伊藤詩織さんのこと知ってるのかな......欧米とは全く土壌が違うと思うんだけどな......」
「デーブさんそれは違うよ!アメリカではそうでも日本じゃセカンドレイプが悲惨で生きていけなくなる!」
「国内の企業のコンプライアンスでは、名前を伏せて弁護士に通報するような仕組み。裁判前にいちいち公表、それも報道されてたらだれも通報出来なくなります」

などと反論も上がった。

   ツイッターでも触れられていたフリージャーナリストの伊藤詩織さんは、実名でレイプ被害を告発したことで国内外から注目を集めたが、その後、嫌がらせや脅しのメールが殺到したことを複数のインタビューで明かしている。テレビ朝日の女性記者も現在、ネット上でバッシングするコメントとともに実名やテレビ出演時の画像を晒されるなどの二次被害を受けている。

   なお、この日のサンジャポでは元衆院議員のタレント、杉村太蔵さんと女装家のミッツ・マングローブさんが意見を対立させる一幕もあった。

「会話の中身が全部森友学園問題の真面目な内容の中でこういう卑猥な発言があったらアウトですけど、聞くと過去1年半、たびたび男女2人で食事をする間柄。次官の立場からするとプライベートな付き合いの中で変な話、ちょっと口説いてる。男性が女性を口説いている延長の一部をとって録音されて週刊誌に出されて失職。これはきついなと」

   こう語る杉村さんに対し、ミッツさんは「それは甘いのよ、今のご時世では」と反論。

「どっちかがいやだなと思ったらセクハラだと線引きされる」
「こういう(次官のような)お立場の人は細心の注意を払わなければいけない。しかも取材っていうのはいろんな思惑があって懐に入りこんでいくもの」

などとし、立場ある人物は常にそうした意識を持って接するべきだと語った。