J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

おそるべし安室透効果...「降谷」ハンコ注文殺到 専用サイトまで登場

   まさに「安室透」バブルと言えよう。公開中の映画「名探偵コナン ゼロの執行人」が人気を博している中、メインキャラクターの安室透(本名:降谷零)に関連するグッズが異常に売れている。

   安室を主人公とする漫画の新連載を始めた「週刊少年サンデー」が書店から姿を消したのは、J-CAST既報のとおり。加えて、創業90余年の印章店で「降谷」のハンコが売れまくっているという。一体、何があったのか!?

  • 安室透(降谷零)(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
    安室透(降谷零)(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
  • 安室透(降谷零)(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
  • 降谷零専用ハンコ(画像提供:吉本三星堂)

「降谷零を上司と仮定し...」

   安室透は、漫画「名探偵コナン」で最もホットなキャラクターの1人だ。私立探偵「安室透」として毛利小五郎に師事する一方、コナンが敵視する「黒ずくめの組織」の構成員「バーボン」として暗躍し、警察庁の秘密組織に所属する公安警察官「降谷零」としても活躍する。

   現在公開中の映画「名探偵コナン ゼロの執行人」では、そんな「トリプルフェイス(3つの顔)」をもつと言われる安室にスポットを当てている。国内映画の興行収入では4週連続トップ(興行通信社調べ)をひた走っており、その額は62億2251万円(5月6日まで)。シリーズ最高興収の68億9000万を射程圏内に捉えている。

   こうした「安室透」効果は、意外な方面に好景気をもたらした。創業90年を超える高知市の印章店「吉本三星堂」の公式ツイッターが5月13日、「安室透」「降谷零」「名探偵コナン」のハッシュタグを付けて、

「『降谷』はかなり珍しい名字です。にも関わらず毎日『鈴木』や『佐藤』よりも売れてる異常現象が起きています...」

とつぶやいたのだ。

   同店の従業員Aさんは、14日のJ-CASTニュースの取材に「5月に入ってすぐの頃から、たくさん『降谷』が売れるようになり、不自然だなと思っていました」と話した。「名探偵コナン」好きの友人に「安室透」の存在を聞いており、ツイッターで安室のことを検索したところ、次のような趣旨のツイートを読んだという。

「降谷零を上司と仮定し、『やることリスト』に『降谷』のハンコを押すことで、まるで降谷に押してもらったような気分になる」

   もしかすると、「降谷」ハンコのバカ売れは「名探偵コナン」と関係しているのでないか――。そうにらんだAさんは、「降谷」ハンコ専用の注文フォームを開設した。

「安室」表紙のアニメ誌は、異例の重版

   Aさんは13日朝、ツイッターで「よかったらご利用下さい」と注文フォームのリンクを投稿した。先述の「安室透」ハッシュタグを付けたツイートは、「リツイート」4万件(5月14日夜現在)の反響を呼ぶことに。楽天の通販サイトなどで14日昼までに、数百件の注文が殺到したという。

   このように珍しい名前のハンコが売れまくったのは「初めての経験です」。Aさんはその上で、

「お客様と直接、お話できたわけではありませんが、商品を送り届けてから皆さんがSNSでどんな反応をされるのか、今から楽しみにしています」

と話していた。

   「安室透」バブルは、このハンコにとどまらない。5月10日発売の月刊アニメ誌「アニメディア」(学研プラス)6月号では、『名探偵コナン ゼロの執行人』の表紙&巻頭特集を掲載しており、安室透が表紙を飾っていたが、異例の重版が決まった。

   1981年の創刊以来、これで2度目。初めて重版となった2016年2月号でもテレビアニメ「名探偵コナン」の放送20周年記念特集を組んでいたというから驚きだ。

   学研ホールディングスの広報担当者は、14日のJ-CASTニュースの取材に次のように反響の大きさを語る。

「多数のお客様&アニメ関係者の方々から反響をいただいております。今号に限らずアニメ『名探偵コナン』の特集記事を掲載しており、小誌2016年2月号や劇場版『純黒の悪夢』公開時の16年6月号も反響がありましたが、これだけ多大なるご支持をいただいたのは初めてかもしれません」

   5月下旬に搬入する予定で、「まだご購読できていないお客様には申し訳ない気持ちでいっぱいです」とお詫びした。

   さらに、影響は降谷零をモチーフとする香水「降谷零(安室透)の香水」(18年8月発売予定)にも及んだ。5月12日0時に第4次受注生産の受付が始まると、注文のアクセスが殺到。製造元のゼロジーアクトは12時すぎ、公式ツイッターで

「在庫切れになりご予約がしにくい状況が発生致しました。現在は復旧しております。お客様には大変ご迷惑をおかけいたしましたこと深くお詫び申し上げます」

とお詫びしていた。