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日大アメフトの反則、ボクシングに例えると... 関学OBが苦言

   「日本のアメリカンフットボールも80年の歴史があるけれど、一度も見たことがないレベル」――。

   そんな見解を述べたのは、関西学院大のアメリカンフットボール部でクォーターバック(QB)として活躍した、元アメフト選手のラジオパーソナリティ・有馬隼人さんだ。

   アメフトの日本大と関学大の定期戦で悪質な反則行為があった問題で、日大側は公式ホームページで謝罪文を発表したが、具体的な背景などは説明しておらず、出口は見えないままだ。有馬さんは「なぜ関西学院のペースに合わせるのか」として、日大の対応の拙さを指摘した。

  • 問題となった危険タックルの瞬間(関西学院大学提供)
    問題となった危険タックルの瞬間(関西学院大学提供)
  • 問題となった危険タックルの瞬間(関西学院大学提供)

「度を超した反則」

   有馬さんは大学時代、関学大のアメフト部でQBとして活躍。卒業後にTBS入社後、アメフトへの情熱を捨てきれず、在職3年で退社。アサヒビールシルバースターなどで選手として活躍した。現在はラジオでパーソナリティを務めている一方、シルバースターのヘッドコーチとして指揮を執っている。

   そんな有馬さんは2018年5月17日、木曜レギュラーのラジオ番組「伊集院光とらじおと」(TBSラジオ)に出演。日大と関学大の試合で悪質な反則行為があった問題について、タレントの伊集院光さんらと議論を交わした。

「今回タックルされた選手は、私の出身大学の同じポジションで、背番号も同じなんです」

   有馬さんはそう明かした後、アメフトに詳しくないリスナーに向け「ボクシングでゴングが鳴って何秒か経って、相手が後ろを向いている時に、思い切りパンチを浴びせるような、度を超した反則です」と説明。その上で、

「あの程度の反則は、私も30年近くアメリカンフットボールに関わっていますし、日本のアメリカンフットボールも80年の歴史があるけれど、一度も見たことがないレベルです」

と強調した。

   有馬さんはさらに「今回の件について語るべきなのは、当事者の日本大学と関西学院大学、関東学生連盟、日本協会」と指摘した。日大の事後対応について「タックルされた関西学院は早く記者会見を開いて、明確な見解を示した。今日の午後にも記者会見をする。日本大学の方は何も発信できていない」と説明。その上で、

「前代未聞の反則事態が起こった経緯と、再発を防止するための取り組み。それをいち早く発表しなければならないのは日本大学。なぜ関西学院のペースに合わせるような形で情報発信できていないのが問題」

と強調した。

   伊集院さんはこれを受け、日大側の対応に「レスリングの栄監督の事件(パワハラ問題)があった時、大学側の態度がすごく問題になった。あのことで多少、何かを学んだりしなかったのか」と疑問を呈した。

真相は「この3つ(のどれか)だと思う」

   また、有馬さんは「(アメフトには)格闘技的な側面があるが、けがをしないように細かいルールが定められている」とした上で、「それを大きく逸脱した行為が起きたのには、何か経緯がある」と指摘。

「監督の指示に従ったのか、選手が独断でやったのか、監督やコーチ陣の指示が間接的に選手をそう誘導したのか、この3つ(のどれか)だと思う。絶対にウソはダメ。なぜ起きたかの見解は事実として明確なものを出さなければならない。時間が経てば経つほど、周りから臆測が飛んでしゃべりにくくなる」

と、見解を述べた。

   一方、伊集院さんも「何の件でもそうだけど、正直なことを言うのが重要な世の中になっている」と持論を展開した。

「初動(の対応)を間違えたから、そこにこだわるというのは、余計にこじれる。関係者の人たちはゼロからちゃんとやらないと」

   この反則行為をめぐっては15日、日大が関学大の抗議文に対する回答書を提出。関学大が17日午後、改めて記者会見を開き、今後の対応などを発表する。

   「これがラストチャンス。日本大学が(その後に)どう動くか」。有馬さんは最後にそんな言葉を言い残した。