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「二度目の人生を異世界で」放送どうなる? 「ヘイト」指摘で主要キャスト総降板

   2018年10月放送予定のテレビアニメ「二度目の人生を異世界で」に、異例の事態が起きている。主演級の声優が突如として、続々と降板を発表したのだ。

   このアニメをめぐっては、原作ライトノベルの作者・まいんさんが過去、ツイッターで中国や韓国への「ヘイトスピーチ」とされる投稿を繰り返していたことが、物議を醸していた。

  • テレビアニメ『二度目の人生を異世界で』公式サイト(画像はスクリーンショット)
    テレビアニメ『二度目の人生を異世界で』公式サイト(画像はスクリーンショット)
  • テレビアニメ『二度目の人生を異世界で』公式サイト(画像はスクリーンショット)

所属事務所に聞くと...

   降板するのは、主人公・功刀蓮弥役の増田俊樹さんと、シオン=ファム=ファタール役の安野希世乃さん、ローナ=シュヴァリエ役の中島愛さん、創造主役の山下七海さんの4人だ。

   山下さんの所属事務所は2018年6月6日、公式サイトで「山下七海が創造主役として発表されましたアニメ『二度目の人生を異世界で』につきまして、この度降板させて頂く事が決定いたしました事をご報告させていただきます」と発表。他3人の所属事務所も6日、公式サイトなどで降板決定を報告した。いずれも主要キャラクターの演者で、アニメの放送自体にも影響が出ることは不可避だ。

   各キャストの所属事務所とも、降板の理由については明かしていない。山下さんの事務所の担当者は、6日のJ-CASTニュースの取材に「文書どおり受け取っていただければと思います」とだけコメントした。

   アニメの原作は、ライトノベル作品『二度目の人生を異世界で』(ホビージャパン・HJノベルス)。94歳で往生したはずの主人公が異世界に転生し、前世で培った能力を開花させながら、異世界で冒険する――というファンタジー作品だ。小説投稿サイト「小説家になろう」で1億8900万PVを記録した人気ぶりで、18年5月にアニメ化が決定した。

   だがその後、原作小説の内容が中国のネットユーザーを中心に物議を醸すこととなった。中国メディア・観察者網の6月5日付報道によると、剣客の主人公は物語の設定上「中国を侵略し3000人以上を虐殺した日本軍兵士であることが暗示されていた」という。

   さらに原作者のまいんさんが13年ごろ、自身のツイッターで中国・韓国に対し侮蔑的な発言をしていたことが発覚。日本のネット上でも「ヘイトスピーチ」とされ、炎上騒ぎに発展したのだ。

原作者「不快感を与える文章となった」

   まいんさんはこれを受け、6月5日、自身のツイッターで「私の過去のいくつかのツイートにつきまして、多くの方に非常に不快な思いをさせてしまう、不適切な表現がありましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

   「事実関係を正確に把握せず、深い考えもなく行った発言ではありますが、行きすぎた内容であったことを深く反省して」いるとし、該当のツイートを削除した上で、アカウント自体を「廃止」する意志を表明した。

   『二度目の人生を異世界で』の一部表現についても、「自らの拙い文章表現と軽率な発言により、不快感を与える文章となってしまっていることを、併せてお詫びいたします」とお詫び。「小説家になろう」で該当する箇所の公開を停止する考えを明かし、

「二度と皆様に不快な思いをさせることの無いよう改めて内容を精査いたします。また、書籍版に関しても、該当書籍の修正を行えないか、出版社と相談いたします」

と説明した。