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熱中死亡事故の翌日に「全校集会」、冷房ない体育館で... 学校対応に疑問「何も分かってない」

   愛知県豊田市の市立梅坪小学校に通う男児(6)が、炎天下での校外学習に参加した後に熱中症で死亡した問題で、同校が事故を受けた全校集会を冷房のない体育館で開いたことに、インターネット上で疑問の声が出ている。

   梅坪小が全校集会を開いたのは事故翌日の2018年7月18日朝。気象庁の観測データによれば、豊田市の気温は同日の朝8時時点で30度あった。それだけに、集められた生徒の体調を心配しつつ、学校側の対応を批判するユーザーが出たのだ。

  • 熱中症事故後の対応にネットで疑問の声
    熱中症事故後の対応にネットで疑問の声
  • 熱中症事故後の対応にネットで疑問の声

「何もわかってない気がする」

   熱中症で死亡した男児は17日午前、学校近くの公園で虫取りなどの遊びをする屋外学習に参加。報道によれば、公園に向かう途中から「疲れた」などと周囲に訴えたため、担任教師が手を引いて歩いたという。

   今回の事故を受けて、学校側は翌18日朝8時30分から緊急の全校集会を開いた。児童約730人を体育館へ集め、まず亡くなった男児へ1分間の黙とうを捧げた。その上で、校長が謝罪の言葉を述べ、体調が悪い場合はすぐ教員に知らせるように児童へ呼びかけた。

   梅坪小の体育館にはクーラーがない。実際、この集会の様子を報じた「CBCニュース」の映像を見る限りでは、生徒の前に立って謝罪する男性校長の額や首元は、汗で濡れているようだった。

   こうした全校集会が、ツイッターなどで物議を醸している。熱中症事故を受けての集会にもかかわらず、朝から30度以上の気温を観測する暑さの中で700人以上の児童を体育館に集めたことに、

「熱中症で死人出しておきながらクッソ暑い体育館で集会とか...」
「違うでしょ...暑い中体育館に集める必要ないでしょ」
「体育館で全校集会なんかしてまた具合が悪くなる子が出るリスクを考えないのか」
「何も分かってない気がする」

といった疑問の声や学校側の姿勢を厳しく批判するユーザーが出たのだ。

学校側「安全には十分配慮した」

   こうした批判について、学校側はどう考えているのか。梅坪小の男性教員は20日午後、J-CASTニュースの取材に対し、

「安全には十分配慮した上で全校集会を実施しました」

と説明した。

   この男性教員によれば、今回の全校集会は熱中症対策のために「最小限の時間」で行われた。校長のスピーチの時間も「5分以内」と事前に定めていたほか、教員も児童の体調を常に確認していたという。

   実際、教員は「全校集会で具合が悪くなった児童は1人もいなかった」と説明。保護者からも、集会を開いたことを問題視する意見などは出ていないという。