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体操・第三者委トップが「疑義」否定 池谷氏「朝日生命とつながっている」と主張も...「私は選手ファースト」

   塚原光男・日本体操協会副会長(70)と塚原千恵子・女子強化本部長(71)夫妻のパワハラ問題の調査にあたり、協会が第三者委員会の委員長に選任した岩井重一弁護士について、バルセロナ五輪銀メダリストの池谷幸雄氏(47)が「大問題じゃないかと思う」と疑義を唱えた。

   塚原夫妻が経営する朝日生命体操クラブの協賛企業・朝日生命と「つながっている」と言うのだ。実際のところはどうなのか。J-CASTニュースは岩井弁護士本人に確認した。

  • 宮川紗江選手のフェイスブックから
    宮川紗江選手のフェイスブックから
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  • 日本体操協会は、第三者委員会の委員長に岩井重一弁護士が就任したと発表(画像は協会ウェブサイトから)

「少しでも関わり合いのある人が入ったら絶対おかしいでしょう」

   リオ五輪代表の宮川紗江選手(18)が告発した塚原夫妻のパワハラ問題。協会は2018年9月5日、第三者委員会の委員長に岩井弁護士が就任すると公式サイトで発表した。選任にあたっては、「当協会および調査対象者と利害関係がないことを重視しました」としている。

   だが池谷氏が異論。7日放送の「ひるおび!」(TBS系)に出演した際、「情報が入ったんですけど、第三者委員会の岩井さんが、どうも朝日生命とつながっている」と眉をひそめ、まくし立てた。

「第三者委員会を立ち上げるのはすごく良い事です。ただ、絶対に全く違うところからメンバーを選ばないといけない。少しでも関わり合いのある人が入ったら絶対おかしいでしょう。その気がなかったとしても絶対に外すべきだと思う。トップなので、これでいいのかとすごく疑問なんです。大問題じゃないかと思う」

   宮川選手と速見佑斗コーチ(34)の代理人である山口政貴弁護士も、番組で「朝日生命が株主である会社の顧問をやっていらっしゃるという話です。(第三者委員会での)判断がどうなるかは分かりませんが、『公平性』という観点から果たしていかがなものかと若干懸念はしています」と述べている。

   東京弁護士会元会長、日本弁護士連合会(日弁連)元副会長などの経歴をもつ岩井弁護士。情報機器のリユースなどを手がけるブロードリンク社の顧問弁護士をつとめているが、このブロードリンク社の株主の1つが、朝日生命なのだ。同社社長も朝日生命出身。そして朝日生命は、パワハラを告発された塚原夫妻が経営・指導する朝日生命体操クラブに協賛している。

   こうした関係から、中立であるべき第三者委員会トップの岩井弁護士が、調査対象の塚原夫妻と無関係とは言い切れないのではないか――という疑問が、インターネット上でもくすぶり始めた。岩井弁護士はどう考えているのか。

「朝日生命と私は全然関係がない」

   7日、J-CASTニュースの取材に応じた岩井弁護士は、ブロードリンク社の顧問弁護士であることは「事実です」とするも、「朝日生命と私は全然関係がない」と話した。「日弁連のガイドラインにもとづき、独立した立場で進めるという合意書を交わしています。日本体操協会とも距離を取っています。中立・公正に、徹底的に解明します」と、協会とも利害関係がないことを強調。その上で、

「私は選手ファーストで考えています。宮川選手が会見で述べられた内容を踏まえ、お話を直接聞いて、事実関係の有無を1つ1つ確認していきます」

と述べた。

   朝日生命や塚原夫妻との関係を疑う向きがあることについては、

「それは止むを得ません。まだ活動していないので、心配に思われるでしょう。しかし、全く独立した立場で調査しますのでご安心いただきたい。これからの調査の結果を見ていただきたいです」

と話していた。