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2度目の米朝会談、開催地はどこに... トランプ氏「飛行機で行ける範囲」、3か所が候補に

   2018年6月に続いて、2度目の米朝首脳会談が近く実現する可能性が高くなってきた。米国のトランプ大統領が、アルゼンチンのブエノスアイレスから帰国中の機内で2018年12月1日(現地時間)、記者団に明かした。

   トランプ氏によると、時期は「1月から2月」で、候補地として検討されているのが3か所だという。シンガポールで行われた前回の首脳会談では、金正恩・朝鮮労働党委員長が乗る旧ソ連製の専用機の航続距離を危ぶむ声もあったが、中国からボーイング747型機を借りることで乗り切った。今回も747型機を借りられるとすると、選択肢は広がりそうだ。

  • 2018年6月の首脳会談では、金正恩・朝鮮労働党委員長は中国から借りたボーイング747型機を利用した(写真は労働新聞から)
    2018年6月の首脳会談では、金正恩・朝鮮労働党委員長は中国から借りたボーイング747型機を利用した(写真は労働新聞から)
  • 2018年6月の首脳会談では、金正恩・朝鮮労働党委員長は中国から借りたボーイング747型機を利用した(写真は労働新聞から)

金正恩氏とは「非常にうまくやっている。良い関係だ」

   トランプ氏は18年9月に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談した際、2度目の米朝首脳会談の日時と場所について「かなり近いうち」に発表できるとしていたが、米国の中間選挙や非核化交渉の遅れを背景に、発表されない状態が続いていた。

   トランプ氏は、中国の習近平主席との会談を振り返る中で、北朝鮮問題について

「踏み込んだ議論はしなかったものの、非常に強力に取り組むことで合意した。金正恩氏とは非常に良い関係がある。6~7か月にわたって取り組んできたが、あまり長い時間ではない。人々は北朝鮮問題に80年間、核問題だけでも20年間にわたって取り組んできた。しかし、習氏は北朝鮮問題について100%協力することで合意した。これもすごいことだ」

などと話し、金正恩氏との首脳会談の見通しについて

「1月から2月になると思う。非常にうまくやっている。良い関係だ」

と話した。場所については

「3か所について議論している。まだ決めていない」

とした上で、記者の「アジア?」という問いかけには

「飛行機で行ける範囲」

と応じた。金氏の訪米については

「いつかはそうだ」

と述べ、19年初頭の会談の候補地からは外れているようだ。

北朝鮮外交官がベルン、ダボス、ジュネーブでホテルを調査?

   6月の会談の場所が決まる直前には、

「朝鮮半島以外の、東南アジアを含むアジアや欧州」(ワシントン・ポスト)
「平壌、北朝鮮と韓国の間の非武装地帯、ストックホルム、ジュネーブ、モンゴル」(ロイター通信)

などとシンガポール以外にも様々な説が取りざたされた。これらの都市の中には、北朝鮮が何らかの形で日本や米国と外交的やり取りを行った場所も多い。例えば拉致被害者の曽我ひとみさんと、北朝鮮に残されたままだった夫のジェンキンスさんら一家が04年に対面を果たしたのはジャカルタだ。ストックホルムでは、14年に北朝鮮が拉致被害者の再調査を約束した日朝合意が結ばれた。モンゴル・ウランバートルでは、14年に拉致被害者の横田めぐみさんの両親、横田滋さん・早紀江さん夫妻と、めぐみさんの娘キム・ウンギョンさんとが対面している。

   18年7月には、共同通信が外交筋の話として、北朝鮮がスイスのベルン、ダボス、ジュネーブに外交官を送って国際会議場やホテルの調査をしたと報道。ベルンは正恩氏が留学していた都市で、ダボスは世界経済フォーラム(ダボス会議)が開かれる場所として有名だ。ジュネーブには、北朝鮮を含む世界各国が代表部を置いている。

   今回も、これらの都市が検討の対象に入っている可能性がありそうだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)