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阿部か、炭谷か、小林か? 巨人の正捕手争い、原監督が指名するのは...

   巨人の宮崎キャンプ1軍メンバーによる合同自主トレが2019年1月28日、KIRISHIMAヤマザクラ宮崎県総合運動公園でスタートした。正捕手争いが注目される阿部慎之助(39)、炭谷銀仁朗(31)、小林誠司(29)の3捕手が揃って始動。開幕スタメンマスクを巡る戦いの幕が切って落とされた。

   3人の中で存在感を示したのは、4年ぶりに捕手に復帰した阿部だ。ブルペンでは移籍3年目の山口俊投手(31)の球を受け、中大の後輩の2年目右腕・鍬原拓也投手(22)には配球のアドバイスを。初めて阿部に受けてもらった山口は「まさか受けてもらえるとは思っていなかった」と感激の様子。合同自主トレ初日で早くも先発ローテンション候補の心を鷲掴みにしたようだ。

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交通事故報道で勢力図に変化が

   移籍1年目の炭谷は情報収集に余念がなかった。原辰徳監督(60)から全幅の信頼を寄せられ、開幕スタメンマスク最有力の炭谷がまず行ったのは巨人投手陣の情報収集。若手投手陣をはじめとし、投手陣の投球をこまめにチェックし、メモ帳にペンを走らせた。また、阿部との交流も欠かさず、大先輩のアドバイスに耳を傾けた。

   阿部、炭谷と比べて存在感が薄かったのが小林だ。ブルペンでドラフト1位・高橋優貴投手(21)の球を受けたが、メディアでは高橋の話題ばかりが取り上げられ、巨人の正捕手候補としては注目度を欠いた。小林は昨季から打力の低さが指摘され、正捕手の座をつかみ切れないでいた。これに加え、今年1月上旬に写真週刊誌に車での衝突事故を報じられ、フロントの怒りを買ったという。

   球団関係者は「小林の事故の発覚が、長野が丸の人的補償として広島への移籍が決まってすぐのことでタイミングが悪すぎた。巨人への批判が高まっている状況で、フロントをはじめ球団がピリピリしていた中での事故報道だったので、関係者の怒りは相当なもの。この一件でレギュラーの座が遠のいたとの声も上がってます」と語った。

原直系が「第三の捕手」に急浮上

   ここで「第三の捕手」として浮上するのが2軍スタートとなった大城卓三捕手(25)だ。東海大相模高を経て東海大学に進学した大城は、原監督の直系の後輩。昨季は83試合に出場して4本塁打をマーク。リード面で課題を残すものの、パンチ力のある打撃には定評がある。小林は100試合以上出場したシーズンでの最高打率が昨季の打率219.と、いまだ打撃面での課題が克服できずにおり、関係者によると、大城が小林に取って代わる可能性は十分にあるという。

   現時点で開幕スタメンマスクは炭谷が最有力となるが、投手陣の信頼を得るまでまだまだ時間がかかりそうだ。しかも、投手陣の心的支柱だった内海哲也投手が炭谷の人的補償として西武に移籍しているだけに、心中穏やかではないだろう。投手陣からの信頼度でいえば、阿部は多くの投手陣から支持され、若手投手にしてみればもはやレジェンド的な存在。一年を通しての活躍は疑問が残るものの、その卓越したリード、経験値は群を抜く。

   正捕手の固定は、ここ数年の巨人の大きな課題でもあるが、阿部の4年ぶりの捕手復帰に象徴されるようにレギュラー不在が続いている。センターライン確立のために、内海、長野を放出してまでも炭谷、丸を獲得した巨人。原監督の言う「新たな血」が加わることで、どのような化学反応が起こるのか。正捕手争いの前哨戦となる宮崎キャンプが2月1日に始まる。