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謝っても謝っても、過ちを繰り返してしまう... 「失言おじさん」桜田氏の心理を、専門家が分析する

   あの「失言大臣」がついに辞任――桜田義孝五輪担当大臣が2019年4月10日夜に辞任した。辞任の理由は、この日に行われた高橋比奈子衆議院議員のパーティーで「復興以上に大事なのは高橋さんでございますので」と発言したことの責任を取りたいというものだった。

   辞任の直接の理由はパーティーでの失言だが、桜田氏といえば、これまでにも言い間違いや失言で世の中を騒がせてきた張本人だ。

  • 五輪担当大臣を辞任した桜田義孝氏(2018年秋の衆院インターネット中継より)
    五輪担当大臣を辞任した桜田義孝氏(2018年秋の衆院インターネット中継より)
  • 五輪担当大臣を辞任した桜田義孝氏(2018年秋の衆院インターネット中継より)

あれだけ謝ったのに...本当に反省?

   2018年11月には参議院予算委員会で蓮舫議員に対し、「れんぽうさん」と何度も呼びかけ大問題に。2019年2月に女子水泳の池江璃花子選手が白血病を公表した際には、「本当にがっかり」などと発言し、またしても大問題に。さらに、辞任前日となる9日には、参議院内閣委員会で宮城県の石巻市を「いしまき市」と3回にわたって言い間違え、謝罪したばかりだった。

   一連の騒動を見て分かるのは、「信じられないレベルの言い間違い、もしくは不適切な発言」「その都度、謝罪する」「しかし、反省したとは思えない更なる失言」が繰り返されていたということ。これだけ同じことが繰り返されると、果たしてその謝罪に「申し訳ない」という思いがあったかどうかすら疑わしくなってくる。

   失言と謝罪が繰り返されたことについて、経営コンサルタントで心理学博士の鈴木丈織氏は以下のように分析する。

本人は「心から」謝っているのだが、すぐに...

「テレビで放送された、これまでの桜田氏の会見の様子などを見て、視聴者の中には『おどおどしている』などの印象を受けたとする声が上がっていますが、私はその姿から『気の小ささ』よりも『衝動性』を感じました。ゆえに、桜田氏は『うっかり本心を言ってしまう』傾向があることに加え、非難を浴びた直後は本当に『心から』反省しているとみられます。ただ、『衝動性』が強い人は感情が長続きしないため、『申し訳ない』という気持ちはすぐに消滅していると考えられます。ゆえに失言と謝罪が繰り返されたのでしょう」

   ただ、連続して言い間違うなど、1度に同じ間違いを繰り返すことについては、同情の余地があるという。

「委員会質疑で複数回にわたって『れんぽうさん』『いしまき市』と言い間違えてしまったのは、間違いを自覚した瞬間から緊張してしまって、言い間違いを連発してしまった可能性は否定できません。よく、『眠ろう』と考えると眠れなくなるのと同じで、『言い間違えてはいけない』という強い思いが間違いを誘発するのです。桜田氏はただでさえ衝動的な性格と見受けられますから、1度の言い間違いで自らを制御できない状況に陥ってしまうのではないでしょうか」

   衝動的であるがゆえの「失言」と「謝罪」で国民をゲンナリさせ続けた桜田氏。衝動的とはいえ、一時的でも心から反省しているのであれば、せめてもの救いかもしれない。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)