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保育園側の過失「まっっったくありません」 大津事故、専門家&加藤浩次のやりとりに「ホッとした」

   大津市の丁字路で乗用車が歩道に突っ込み、散歩中だった2歳の保育園児2人が死亡した事故で、「スッキリ」(日本テレビ系)に出演した専門家が保育園側の過失は「全くない」と断言し、インターネット上で安堵の声が広がっている。

   事故が発生した2019年5月8日中に保育園側が記者会見を開くと、報道陣からは園児の管理体制について問われる場面もあった。だが、ネット上では「保育園に責任を問い詰めるのは間違いだろ」といった疑問の声もあがっていた。

  • 事故現場の「Googleマップ」のストリートビュー画像。信号を待つ園児と保育士と見られる人々が写っていることにも注目が集まった
    事故現場の「Googleマップ」のストリートビュー画像。信号を待つ園児と保育士と見られる人々が写っていることにも注目が集まった
  • 事故現場の「Googleマップ」のストリートビュー画像。信号を待つ園児と保育士と見られる人々が写っていることにも注目が集まった

「それ以上何をしたらいいのかと思うくらい」

   保育園側の会見では、園長が激しい嗚咽を漏らし、顔を伏せる時間が長く続いた。事故と会見を取り上げた9日放送の「スッキリ」では、司会の加藤浩次さんが「本当に悲痛な記者会見を保育園側はやられましたけど...保育園側の過失というか問題点は全くないわけですよね?」と、出演した交通事故鑑定士で元千葉県警交通捜査官の熊谷宗徳氏に問いかけた。

   熊谷氏は「まっっったくありません」と園側に過失がないことを強調し、

「歩道の奥に園児を置いて、ブロックするように(保育士の)先生方がいたわけですから、それ以上何をしたらいいのかと思うくらい、(過失は)全くありません」

と見解を示した。

   事故現場の県道丁字路では当時、散歩中の保育士3人が道路側に立ち、その後ろに13人の園児が並ぶ形で信号待ちをしていたという。番組で加藤さんは「(保育士らは)信号のない横断歩道を使わず、信号のある方を使っているんですよね、あえて。そこまでやっていてもこういった事故が起きてしまうのは本当に辛いと思うんですけど...」と複雑な思いを吐露した。

   事故は、丁字路を右折しようとした乗用車が、直進しようとした対向の軽乗用車に衝突し、軽乗用車がはずみで園児らのいた歩道に突っ込んだことで発生した。番組で熊谷氏は、

「(事故現場は)非常に見通しの良い交差点で、(右折車から対向車が)見えないということはないと思います。間違いなく見える状況で、それでも『譲ってくれるだろう』『来ないだろう』とか、直接もし対向車を見ていないのであれば『対向車は来ていないだろう』と思うとか。基本的には安全確認の欠如・不足が原因になると思います」

と、いわゆる「だろう運転」が事故を引き起こしたとの見方を述べている。

「ちょっとありがとうって思っちゃいました」

   熊谷氏は、「右折の方で多い過失は右折方向を見てしまうこと。一旦こっち(対向車)を見て『まだ行けるだろう』と思うと、もうこっち(右折先)を見て右折するので、衝突の時は(走ってくる対向車を)見ていない」として、今回の事故について「(対向車の)動静を注視しないで右折し、衝突してしまった可能性が一番高いかと思います」としていた。

   加藤さんと専門家のやり取りに、ツイッター上では

「この放送見て『スッキリ』しました」
「ほんとに『全くない』って断言されていて、すごくよかったです」
「当たり前なんですけどちょっとありがとうって思っちゃいました」
「なぜ園側が会見をし責められなければならないのかと憤りを感じていただけに私も少しホッとした」

と、胸をなでおろすユーザーが続出することになった。

   こうした声が出るのは、保育園側の会見も関係していると見られる。報道陣からは「保育士3名がついていたということだが、どんな対応を心がけていたのか?」「事故があった場所は交通量が多いようだが、散歩コースを考える中で危険ゾーンや留意すべきポイントといった認識はあったのか?」といった質問もあったため、ネット上では

「ホントにこれじゃ 保育園に何か責任あるみたいじゃない」
「これ、保育園に責任を問い詰めるのは間違いだろ」

と、園側の非を問うような論調ではないかと疑問を示す声も少なくなかった。