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吉本問題、芸人仲間も驚いたEXITりんたろーの「行動」 改革へのアクションに「最高にかっちょいいね!」

   反社会勢力への闇営業に端を発する一連の問題で吉本興業が揺れる中、所属お笑いコンビ「EXIT」のりんたろーさん(33)がツイッターで「アンケート調査」を呼びかけたことに、ファンから「こういう行動も起こすのって並大抵できることでない」と称賛する声があがっている。

   「ネオ渋谷系漫才」と呼ばれる「チャラ男」風のトークが特徴のEXITだが、吉本の未来を見据える行動に同じ吉本所属のトリオ「ジャングルポケット」太田博久さん(35)が「全くチャラくないけど、最高にかっちょいいね!」とツイッターに投稿するなど、吉本芸人からも反応があがった。

  • 「EXIT」りんたろーさん
    「EXIT」りんたろーさん
  • 「EXIT」りんたろーさん
  • りんたろーさんが協力を呼びかけたアンケートの説明文

「今こそ社員さんと芸人が手を組んで劇場も変わらなきゃいけない」

   りんたろーさんは2019年8月13日、「《∞ホールに所属する》【東京若手芸人の皆さんへ】」と題し、「かつて∞ホールには連日連夜沢山の人が押し寄せる無双時代がありました。あの劇場を取り戻す事が今なら出来ると思うんです。あなたの意見を聞かせてください。よかったら拡散してください」と投稿。芸歴10年目以下の吉本芸人がライブをする「ヨシモト∞ホール」(東京都渋谷区)を引き合いに出しながらアンケートへの協力を呼びかけた。

   アンケートのページにはその真意が合わせて書かれている。まず「皆様も知っての通り例の一件があり、よしもとの良い部分もそうでない部分も世間に晒される事になりました。しかしそれを機に、よしもとという大きい会社が良き方向に向かい始めた兆しを感じている今日この頃の俺達です。これは上のお兄さん達が生み出した流れです」とし、

「『東京』の若手はこのままで良いでしょうか。『面白い若手』が、東京に『お笑い』というエンターテイメントが存在する事を世間の人は一体どれくらい知ってるでしょうか。かつてパンパンだったあの劇場は今、大阪の人気芸人さんに埋めてもらっているのが現状ではないでしょうか」

「価値があるはずのそのネタもそのコンビもお客さんがいないと死んでいきます。良いネタは良い環境で育まれるものです。この現状にもっと俺達自身が危機感を持って、今こそ社員さんと芸人が手を組んで劇場も変わらなきゃいけないギリギリなラインな気がしてます」

といった言葉で危機感を示した。

意見集約し「話し合いの場」を設けたい考え

   りんたろーさんは「誰が言うてんねん状態、百も承知ですが、5年下の相方とコンビを組んだ為、本来なら卒業のはずの自分が今渋谷の劇場に立たせてもらってます。この不思議な巡り合わせに意味があるのだとすれば、これもまたそのひとつなのかもしれません。だとすれば世間の関心のある内の方がなにかと出来る事も多いと思うんです」とコンビを組む兼近大樹さん(28)を引き合いに出しながら、「芸人のみんなの意見や不満を集約して、劇場のえれぇ人とか社員さんとか協力してくれる人達と話し合いの場を設けてもらい、どうすれば活気のあったあの頃の劇場を環境の良い劇場を取り戻せるか対策を練りたいと思います」とアンケートの意図を説明。次のように回答を呼びかけた。

「そこでみなさんの生の意見を聞かせて欲しいわけです。芸人側からの不満やアイディアを吸い上げて、その不満やアイディアを持って芸人が変わらなきゃいけない事、劇場が変えなきゃいけない事、芸人の伸ばすべきもの、劇場が伸ばすべきものみんなの意見を聞かせてください。この会社が変わろうとしてる時に、劇場がこのままじゃまずいと思っています。お忙しい中、お手数をお掛けし申し訳ございません!ご協力のほど、よろしくお願いいたします」

   設問は「劇場の良い所」「劇場の不満と改善案」「よしもと全体の不満と改善案」といった意見を募るものから、「今の芸人としての悩み」「今、やっているバイト」など個人の現状を把握しようとするものまで幅広い。回答は匿名でも可能となっているほか、りんたろーさんは「ファンの方もファンと記入してこうすれば行ってみたくなる等あれば書いてくれてもよきです」とファンでも回答できるとしている。

「バカしてたあいつが無限大ホールを変えようとしてるよ」

   闇営業問題が明るみに出たことで、吉本興業は宮迫博之さんの契約を解消。宮迫さんと田村亮さんが手作りの会見を開き、涙ながらに謝罪しながら問題の経緯を暴露すると、「ダウンタウン」松本人志さんらベテラン芸人が収拾に向けて動き出した。だが岡本昭彦社長が会見すると、複数の若手吉本芸人がツイッターやワイドショーなどで、その発言内容に関して現状の会社からの扱いを批判しながら不満を爆発。闇営業に直接関わった芸人の大半にあたる11人は課されていた謹慎処分を解除されたが、吉本興業そのものは運営体制をめぐって岐路に立たされている。

   直接行動してきたのがほぼベテランだった中で、若手売れっ子芸人のりんたろーさんが改善に向けた行動を起こしはじめたことは大きな注目を集めた。ツイッターでは

「お笑いへの熱い想い伝わりました。この時期に声を出すことは諸刃の剣。大変なことなのに」
「今、毎日眠る時間も取れてるのか分からないほど忙しい中で、こういう行動も起こすのって並大抵できることでないと思います。無理のない範囲で身体に気をつけて頑張って下さい!」
「『今自分大事な時だから~』と守りに入らずに、若手の声を吸い上げ、恐れることなく改革しようとする姿勢シビレます!」
「不満だけ言うのではなく、改善策もセットで考える必要がある。それが一番分かるのは現場だと思うから、このアンケートは賛同です」

といった声が続々と寄せられている。

   吉本芸人からも反応があり、お笑いコンビ「ワラバランス」宮崎拓也さん、ASHiNAさんらはアンケートに回答したことをツイッターで報告。また、「ジャングルポケット」太田さんは「全くチャラくないけど、最高にかっちょいいね!」としてアンケート拡散に協力し、同トリオのおたけさん(36)も

「無限大ホールが変わろうとしてる。EXITのりんたろーが動き出してるから。数ヶ月前までテキーラ飲んでバカしてたあいつが無限大ホールを変えようとしてるよ。俺なんかに相談してきたEXITが若手を率いて動いてるよ。東京吉本がまた輝きをみせるよ」

とつづっていた。