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問題児ネリが組んだ「敏腕トレーナー」とは 日本ボクシング界にも精通した実力者

   ボクシングのWBC世界バンタム級1位ルイス・ネリ(24)=メキシコ=が強力な援軍を得た。ネリは2019年8月21日、メキシコ・ハリスコ州で行われているキャンプに参加した。ボクシングの専門メディア「ボクシングシーン.com」が報じたもので、WBA、WBC世界ミドル級王者サウル・アルバレス(29)=メキシコ=を指導するエディ・レイノソトレーナーのチームに入ったという。

   レイノソ氏は、アルバレスのトレーナーとして世界的に知られる存在だ。父とともにメキシコでジムを経営しており、これまで多くのボクサーを世に送り出してきた。日本で6度試合した経験を持つ元WBC世界スーパーバンタム級、フェザー級王者オスカー・ラリオス(メキシコ)のトレーナーを長らく務め、日本のボクシング関係者とパイプを持っており、日本ボクシング界に精通した人物でもある。

世界的トレーナーの指導でどこまで成長するか...

   現時点でネリが標的としているのがWBC王座。同王座は正規王者ノルディ・ウーバーリ―(32)=フランス=と暫定王者・井上拓真(23)=大橋=による王座統一戦が義務付けられており、年内に開催が見込まれる。同級1位のネリは、この勝者との指名試合による挑戦の権利を有している。海外メディアによると、ネリ陣営は年内にノンタイトル戦をこなしてから世界戦に臨む青写真を描いているという。

   ネリは昨年12月に米国の大手プロモート社、プレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)と契約を結び、本格的に米国のリングに進出した。レイノソ氏のチーム入りは、あくまでもトレーニングを目的にしたものだが、今や世界的なトレーナーのひとりであるレイノソ氏から直接指導を受けるのは、大きな財産になる。しかも、今後、井上拓真、尚弥(26)=大橋=との対戦の可能性があるだけに、日本ボクシング界に精通するレイノソ氏は不気味な存在だ。

   レイノソ氏はファイターを育てることに定評があり、現在行っているキャンプでは、世界のホープ、ライアン・ガルシア(21)=米国=を指導している。ガルシアは18戦全勝(15KO)でWBA世界ライト級5位にランクしており、オーソドックススタイルながら好戦的なファイトでKOの山を築き上げている。世界6階級王者オスカー・デラホーヤ氏が代表を務めるゴールデンボーイプロモーションの秘蔵っ子で、次期スター候補の筆頭に挙げられる。

   ネリが無敗のまま世界王座を獲得するようなことがあれば、将来的に井上尚弥との対戦の可能性は否定できない。今後、レイノソ氏の指導がいつまで続くかどうかは不明だが、ネリが王座奪回へ本格始動した。