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ジャニーズwebが「推し」事情を変える? 公開範囲「拡大」が注目浴びる理由

   ジャニーズ事務所に在籍するアイドルのモバイル有料会員サイト「Johnny's web(ジャニーズ・ウェブ)」で、閲覧できるコンテンツの幅が広げられ、ファンの間に驚きと喜びが広がっている。

   その変化は、応援する「自担」以外のタレントのコンテンツも閲覧できるようになったことだ。なぜこれがファンの注目を集めたのか、取材するとジャニーズファンの「推し方」に、少なからず影響を与える可能性が浮かび上がった。

  • 「自担」がどんどん増える可能性も?
    「自担」がどんどん増える可能性も?
  • 「自担」がどんどん増える可能性も?

ファンクラブ未加入のグループ記事も解禁

   「Johnny's web(ジャニーズ・ウェブ)」は有料のモバイルサイトで、メンバーのブログや画像・メッセージを閲覧できるが、そのコンテンツには、サイト内で自由に公開されているものとジャニーズ各グループのファンクラブ(FC)会員でしか見られないものが分かれていた。そのFC会員限定記事でも、入会しているグループのものしか閲覧できなかった。

   例えば「嵐」のFC会員であれば閲覧できるのは嵐のブログや動画・画像だけで、会員ではないKinki Kids・SexyZone・関ジャニ∞など他のグループのものは閲覧できない。

   これが、2020年2月17日からはどれかのFCに加入していれば全グループの限定コンテンツが閲覧できるようになった。自分が最も応援するグループ以外のコンテンツも読めるようになったわけだ。

   ジャニーズに詳しいライターの「みきーる」さんに、この変更が持つ意味を聞いた。

「〇〇担」として「単推し」が多かったが...

   そもそもアイドルファンの行動形態として、特定のメンバーだけを応援する「単推し」と、グループ全体を応援する「DD」もしくは「箱推し」がある。両者は完全に分かれるわけでもないが、ジャニーズの場合はどちらが多いだろうか。みきーるさんは「ジャニーズの場合、最初に『〇〇くん』という人が気になって『彼が所属するグループ』を知り、ファンになるケースが目立ちます。ですので、まずは単推し(個人または1グループのみ)の方が多いように思います」と話す。

   推すグループの名前を取って「〇〇担」と自称し、そのグループを推していることを示すのも、ジャニーズファンの習慣になっている。「〇〇担としての自分に誇りを持って応援する方が大勢います」とみきーるさんは続ける。

   その中でも「自担」、最も応援するメンバーのコンテンツを熱心なファンはチェックしており「中島健人さん(Sexy Zone)は投稿写真にハッシュタグを付けてくれるので、ファンは同じタグを付けてSNSに書き込むなど、密かな交流を持てるのも醍醐味です」(みきーるさん)といった具合に、そのメッセージを楽しんでいる。ジャニーズには無料で閲覧できるメンバーのブログは無いので、熱心なファンにとってはこれらの限定コンテンツの価値は高い。

これまではファン同士の情報交換が主流だったが...

   それが、「自担」のグループ以外も見られるようになって、どんな変化が起こりうるか。前出のみきーるさんは、

「これまでは、別グループのコンテンツに『自担』が登場すると、そのグループのファンの方が『〇〇くんファンの方! △△くんのコーナーに〇〇くんが出ています!』などと教えてくれていました。閲覧に所属FCの垣根が取り払われることで、こうした楽しみを自分で見つける喜びが増え、それぞれの魅力に触れる機会も広がるのではないでしょうか」

と推測する。このようなグループを越えたメンバー同士の人間関係にはライトなファンも興味を持っており、ジャニーズwebを見ていないファンにも様子が伝わることもある。

   もちろん今までも、複数のグループを並行して応援するジャニーズファンも少なくなかったが、「単推し」傾向が強かったジャニーズファンの界隈で、ほかのメンバーの人間模様も今まで以上に詳しく伝わるようになり、「DD」になっていくファンが増えるかもしれない。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)