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春のセンバツ「無観客」で準備も...決行なら大幅赤字 リミットは「自粛最終日」に

   第92回選抜高校野球大会(2020年3月19日開幕・甲子園球場)の大会運営委員会、臨時理事会が3月4日、大阪市内で行われ、開催可否の結論を先送りすることを決定した。

   新型コロナウイルスの感染拡大を受け、主催者は通常開催を断念した上で、無観客での開催を準備しながら中止を含めて11日の臨時運営委員会で最終決断を下す。19日に予定されていた開会式は中止となる。

  • 甲子園球場
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長時間に及ぶ話し合いでも結論は出ず...

   ここまでの経緯を時系列で追っていくと、日本高野連の理事会でコロナ対策が議題に上がったのが2月19日だった。当初は通常開催を軸に他競技の動きを見ながらその後の方向性を決めていく方針だった。だが、2月下旬になると状況は大きく変化し、政府は26日に今後2週間の大規模イベントの自粛を要請し、さらに27日には、3月2日から春休みまで全国の小中高校の休校を要請した。

   日本高野連は2月26日に選抜大会の方向性に関して3月4日の大会運営委員会で話し合うことを確認。2月26日以降、状況が好転することはなく、野球以外の高校選抜大会が相次いで中止となった。状況が刻々と変化するなか、この日は14時から会議が行われ、大会の中止を含め、無観客試合を行う場合に伴う感染拡大のリスクやクリアすべき問題点などが話し合われたが、結論は出なかった。

   臨時運営委員会が行われる3月11日は、政府が大規模イベントの自粛を求めた「2週間」の最終日にあたる。主催者は、大規模イベントの自粛期間のなかで状況の変化を見極めながら無観客開催を前提として検討を重ねていく方針だ。13日には主催者(毎日新聞社)による代理抽選が行われる予定で、結論はギリギリまで持ち越される。

昨年の大会の収入は約3億3000万円

   大会が無観客で開催された場合、感染拡大を防止するため開会式のリハーサルをはじめ、キャプテントーク、責任教師・監督会議、キャプテン研修会などが実施されず、16日の甲子園練習も中止となる。

   昨年の第91回大会の大会収支は、主催者である毎日新聞社と日本高野連によると、入場料が3億2828万1435円で、物品販売等の収入は394万7949円だった。収入の合計は3億3222万9384円にのぼり、これに対して支出の合計は2億4148万8313円だった。無観客での開催となれば、入場料、物品販売の収入が見込めず、例年通り出場選手費、本部運営費などの支出があるため、大きな赤字が見込まれる。

   野球以外の高校選抜大会をはじめ、中学生による全国規模の大会も中止に追いやられている。新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなか、主催者は中止を視野に入れつつも、現段階では無観客の準備を進めていくという。今後、感染状況がどのような方向へ向かっていくか分からないが、大会運営費も含めてクリアにしていく課題は多いだろう。