J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

プロ野球、今年は「開催は無理なんじゃ...」選手の葛藤

   新型コロナウイルスの感染が収束しない中、プロ野球12球団は2020年4月3日に12球団代表者会議を開催し、24日の開幕を目指すことを断念した。現時点で新たな開幕日を設定することも難しいと判断を下した。

   球界関係者によると、観客を球場に入れて開催することは感染のリスクが高いため、「無観客試合」で公式戦開幕が現実的だとして今後12球団で話し合いが詰められていく可能性が高いという。

  • 選手たちの心境も複雑だ(イメージ)
    選手たちの心境も複雑だ(イメージ)
  • 選手たちの心境も複雑だ(イメージ)

シーズン中に感染者が出たら...?

   ただ、無観客試合で開催しても選手の中で感染が広がる危険性がはらむ。濃厚接触を避けるためにベンチで座る距離に神経を使わなければいけないし、本塁打を打った後や試合後のハイタッチも避けなければいけないだろう。

   3月下旬に阪神の藤浪晋太郎、伊藤隼太、長坂拳弥の感染が判明したが、シーズン中に首脳陣、選手、スタッフに感染者が出たらどうするのだろうか。濃厚接触の疑いがある選手たちは登録抹消しなければならず、2軍から昇格した選手たちをスタメンに並べざるを得ない状況となり、大幅な戦力ダウンは必至だ。

   交流戦や球宴を含め、公式戦の試合数が大幅に削減することも想定しなければいけない。選手たちは自主練習期間だが、トレーニングジムは臨時休業で球場も限られた時間しか練習ができない。3月20日の公式戦開幕に向けて自主トレ、春季キャンプ、オープン戦と状態を上げてきたが1カ月以上延期となり、コンディショニングを整えるのが非常に難しい。また、モチベーションの維持も懸念される。

この状況で「野球をしていいのだろうか」

   ある選手は複雑な心境を口にする。

「家と球場を往復する日々ですが、車に乗って移動している時に道路もガラガラで出歩いている人も少ない。外出自粛が呼びかけられているので当然かもしれませんが、そういう光景を見ていると野球をしていていいのかなと。もし、公式戦が開幕しても、選手の中から感染が広がってリーグ戦が中断する可能性もある。選手寿命を考えればやりたいですけど、シーズン開催は無理なんじゃないですかね」

   「無観客試合でも公式戦を開幕してほしい」というファンの声も考慮しなければいけないが、選手たちは「野球をしてよいのだろうか」と葛藤を抱えながら日常生活を送っている。